枝川二郎のマネーの虎
借りてはいけない住宅ローン(中) 日本の住宅は「安普請」だらけ

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   まずは住宅の統計をみていただこう。

   各国の住宅の「平均寿命」(取り壊すまでの平均年数)は、
   日本 30年
   フランス 81年
   アメリカ 103年
   イギリス 141年
(出典:日本建築家協会)

   これから明らかなように、日本の住宅寿命は諸外国に比べて傑出して短い。日本の住宅が30年経つとどんどん壊されるのはなぜか?これには、色んな理由が考えられる。例えば・・・

   (1)日本人は一般に新しいモノが好き
   (2)新しい家を建てることが「一人前」としての証であるという考えが根強い
   (3)木造住宅は「消費財」だととらえられていた。 ・・・etc

   これらはそれぞれ一理あるといえるが、しかしどれもわれわれを完全に納得させるものではない。木造住宅が本来どれほど長持ちするかは、奈良や京都のことを持ち出さずとも日本人なら誰でも知っている。建て替えがどんどん起こっているのは鉄筋コンクリートのビルでも同じで、戦前から戦後にかけて建てられた東京のビルは品質の劣化などを理由にどんどん壊されている。本来100年は軽くもつはずの鉄筋コンクリートのビルでも、日本では築30~40年で「古い」と判断され、建て替えの話が始まる。問題の本質は、人々の考え方や建材の種類ではなく、高品質の建物が少なく「安普請」だらけであること、そして保守管理をないがしろにしているところにあるのだ。

30年後に家を失い、住宅ローンだけが残る老人であふれる

   日本の家が「安普請」であるのは、業界の事情によるところが大きい。建設業界は、家をどんどん建て替えてほしい立場だ。30年で潰してしまうような家を自ら率先して建ててきたのも、私企業としていわば当然の行動かもしれない。

   一方で、金融機関は住宅の価値ではなく主に借り手の返済能力をみて住宅ローンを貸すので、住宅の構造について詳細にチェックすることはない。地震が多い日本で、地震保険への加入率が低いことにもそれが現れている。しかも、このところ金融機関が貸しやすいように返済期間を長くしようとする傾向にある。融資期間35年の住宅ローンが多くなっているが、これは住宅の平均寿命より長い。

   そして何より30代、40代の働き盛り世代が30年しかもたない住宅を購入しても「終の棲家」(ついのすみか)にはなりえない、という根本的な問題がある。

   このままでは30年後には「家は失ったが住宅ローンの重圧は続く」というような不幸な老人が街にあふれるおそれがある。

   こうした状況のなか、政府は住宅についての政策を後回しにしてきた。福田康夫首相が「200年住宅ビジョン」なるものを発表したが、実際に200年住める住宅の建設を促進するための具体的な政策に欠ける。なにしろ、建設会社も不動産会社も金融機関も、いまのままで皆ハッピーであり、唯一苦しんでいる庶民は文句も言わずおとなしい、ときている。既得権者にとってこんなに「おいしい」状況を変えるのは並大抵のことでない。

(この項、次回に続く)


++ 枝川二郎プロフィール
枝川二郎(えだがわ じろう)国際金融アナリスト
大手外資系証券でアナリストとして勤務。米国ニューヨークで国際金融の最前線で活躍。金融・経済のみならず政治、外交、文化などにもアンテナを張り巡らせて、世界の動きをウォッチ。その鋭い分析力と情報収集力には定評がある。

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