2024年 4月 20日 (土)

新生銀役員報酬あまりの不可思議 八城社長850万外国人専務1億超

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   2010年3月期決算分からはじまった、1億円超の役員報酬の有価証券報告書での開示によって、新生銀行の外国人役員の「厚遇ぶり」が明るみになった。4人の外国人役員が1億円超の報酬を受け取っていた一方、6月23日に開かれた株主総会で、八城政基社長の報酬が850万円だったこともわかった。

   公的資金の資本注入を受けているうえ、2010年3月期決算で巨額の赤字を計上したにもかかわらず、1億円超の報酬を受け取った外国人役員がいたことには驚かされるが、こうした不可思議な実態はかつての「ハゲタカ」を彷彿とさせる。

外国人4人が1億円超の役員報酬

   新生銀行の八城社長は2010年6月23日に開かれた株主総会で、自らの報酬が1000万円だったことを明かした。実際には10年3月期決算の赤字経営の責任をとって、15%削減しているので850万円になる。同行のグループIR広報部によると、「八城社長が自身の判断でそうしました」というが、大手銀行のトップとして、また同行の役員報酬の平均が3096万円なので、低すぎるほど低い水準といえる。

   その一方でラフール・グプタ取締役兼専務執行役が1億1600万円、専務執行役のダナンジャヤ・ジュイベディ氏(金融インフラ部門長)が1億1300万円、サンホー・ソン氏(法人・商品部門長)が1億1000万円、マイケル・クック氏(リスク管理部門長)が1億4900万円と、4人が1億円超の役員報酬を受け取っていたことが同日に公表された有価証券報告書でわかった。

   株価連動報酬(ストックオプション)を含んでいるとはいえ、八城社長の報酬との開きはあまりに大きい。グループIR広報部は、「役員報酬については、所管する部門などの業績やマーケットの水準などに基づいて算出しています」と説明する。しかし赤字経営なのに、どの役員がどのような業績をあげたのか、その内容については「お答えできません」としている。

   株主総会でも、「役員報酬にかかわる質問はなかった」という。

批判受ける前に体制刷新

   新生銀行は「委員会設置会社」(2010年6月23日付で監査役会設置会社に移行)で、役員報酬は「報酬委員会」が決定している。役員の業績と収益動向、マーケット水準を基本方針に則って決められ、執行役にはさらにフリンジ・ベネフィット(付加給付)を供与することがある、としている。

   その報酬委員会のメンバーは、委員長のジョン S.ワズワースJr・モルガンスタンレーアドバイザー・ディレクター、Jクリストファー フラワーズ・JCフラワーズ会長と、三菱商事相談役の槙原稔氏の3人で、いずれも新生銀行の社外取締役に就いていた。

   しかも、このうち槙原氏とJクリストファー フラワーズ氏は、取締役の選任・解任にかかわる議案内容を決定できる「指名委員会」のメンバーも兼ねていた。

   Jクリストファー フラワーズ氏が会長を務めるJCフラワーズは、米投資ファンドで新生銀行の筆頭株主。どうやら、取締役の選任や報酬を決める際に、筆頭株主の「声」が直接反映しやすい状況になっていたようだ。

   6月23日付で、八城社長ほか、4人の外国人役員が退任。報酬委員の槙原氏、ジョン S.ワズワースJr氏も社外取締役から外れるなど、金融当局やメディアの批判を受ける前に経営体制の刷新を進めたようにみえる。

   ただ、Jクリストファー フラワーズ氏が社外取締役に、サンジーブ グプタ専務執行役員(個人部門長)の2人が再任され、残っている。

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