メジャー・リーグまである 米国「大食い」大会の驚愕事情 

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   大食い・早食い選手は、アメリカではプロスポーツ選手だった――日米で有名な「フードファイター」小林尊(たける)さんが、ニューヨークのホットドッグ早食い大会の会場で逮捕された事件から、アメリカの大・早食い事情が浮き彫りになってきた。

   「小林は我々の大会を通して有名になり、その名声を利用し、我々の主催以外の大会に出てカネを稼ごうとしている」。2010年7月7日、情報番組「スッキリ!!」(日本テレビ系)は、NYのホットドッグ早食い大会を運営する国際大食い競技連盟(IFOCE)のジョージ・シェア会長のこんなコメントを紹介した。

「奴隷契約書のようなもの」「なんにもできない」

早食い大会は、ホットドッグだけではない
早食い大会は、ホットドッグだけではない

   小林さんは、大会運営側が示す契約内容に納得がいかず、今回の大会への不参加を決めていた。シェア会長は、「契約内容は他の選手みんなと同じだ」とも話しており、小林選手の対応に不満を持っていることがはっきり分かる話しっぷりだ。

   一方の小林さんは、当初観客席で試合を見守っていたが、試合終了後、会場からの声援に応えようとし、壇上に登ったところを警官に取り押さえられ、ほどなく釈放された。小林さんは、自身のブログ(7月3日)で、大会運営側が求める契約内容について、サインしてしまうと「なんにもできない」「奴隷契約書のようなもの」と酷評している。

   話を総合すると、小林さんが契約書にサインしてしまうと、IFOCEを傘下にもつメジャー・リーグ・イーティング(MLE)関係の大食い・早食い大会には出場できるが、それ以外は出場できないか、特別な許可がいるという状況になる、ということのようだ。また、スポンサーやテレビ出演についても団体を通さないといけないなど、自由な活動に制約がかかる模様だ。

   7月7日の「スッキリ!!」に出演したロバート・キャンベル東大教授によると、大・早食い大会はアメリカでは「メジャー」で、MLEは、米国の同種大会の「9割以上の元締め」だ。番組によると、ホットドッグだけでなく、ピザやギョーザ、スイカ、ザリガニなど1年間に約90の大会を開いている。

   また、こうした大会へ出場する多くの選手たちは同団体と契約しており、「アメリカではプロスポーツ選手」とみなされているのだそうだ。

日本では「プロとして食べていけない」

   一方の日本はどうか。

   「日本の大食い選手でプロとして食べていけるのは、小林尊さんだけですね」。自身も「大食いチャレンジャー」として、ラーメンなどの各種地方早食い大会で優勝経験もある青木健志さん(34)はこう解説する。

   ギャル曽根さんも大食いで有名だが、あくまで「芸能枠」で、日本ではテレビ出演でかなり著名なフードファイターでも、「大食い」で生計を立てることはほとんど無理なのだという。自身も会社員との二足のわらじだ。

   日本では02年、中学生がテレビの早食い番組を真似し、パンをのどにつまらせ死亡する事故が起き、同種番組の自粛が相次いだ。05年にはテレビ東京が大食い番組を復活させたが、「今もメディアが全般的に引いた状況には変わりはない」(青木さん)。

   地方レベルの大会はそこそこ開かれているが、優勝しても5万円、といった大会が少なくない。また、メディアの注目が集まらないと個人レベルでスポンサーがつくはずもない。

   「礼儀作法に厳しいお国柄」か、日本では大食いに対し、「もったいない」「食べ方が汚い」と根強い批判がある。青木さんは、単純に大食いを見ることを楽しみ、選手たちを「スポーツ選手、アスリート」としてみるアメリカがちょっぴりうらやましいそうだ。

「大食い・早食いは、かけひきなど競技性があり、スポーツだと思うのですが」
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