「もの言う株主」スティール  日本市場「完全撤退」へ動く

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   「もの言う株主(アクティビスト)」として日本の老舗上場企業を震え上がらせた米投資ファンド「スティール・パートナーズ」が、保有する日本企業株の売却を加速している。

   2004年10月に大量取得が判明後、激しい経営陣との攻防が業界再編の呼び水になる寸前まで行ったとされるサッポロホールディングス(HD)についても、保有分すべてを売却したことが2010年12月16日、関東財務局に提出された大量保有報告書で明らかになった。

サッポロHDに続き天龍製鋸全株を売却

   日本企業の経営陣にとっては「圧力」が薄れ、歓迎すべき事態なのかもしれないが、日本株自体の魅力が薄れている可能性もある。

   アデランス、ノーリツ、江崎グリコ、ブルドックソース、日清食品、ブラザー工業、ハウス食品、キッコーマン、ユシロ化学工業、フクダ電子、天龍製鋸、日本特殊塗料、シチズンホールディングス、高田機工・・・、食品企業や知る人ぞ知る特殊技術を持つ機械、化学企業など幅広く一時は30社前後の日本株を保有していたスティール。

   サッポロHD株を手放した後も2010年12月21日に出された大量保有報告書で、産業用の鋸(のこぎり)を主力とする静岡県袋井市に本社を置く天龍製鋸の全株を売却したことが明らかになり、5%超を持つのは今や「ユニヘアー」(旧アデランス)だけとなったようだ。

   スティールは2008年秋のリーマン・ショック後に日本企業株の売却を段階的に進める一方で、サッポロHDなど一部の投資先企業については、さらに揺さぶりを続けていた。実際、2009年2月にはサッポロHDに対し従来の買収提案は撤回したものの、役員再任には反対を表明。

   2010年3月末のサッポロHDの株主総会でも「収益性改善には経営陣の退陣が必要」として、内藤由治・元ポッカコーポレーション会長など6人の役員選任案を提出した。サッポロの安定株主工作でスティール案は否決されたものの、各候補への賛成は29~33%に達し、「圧力」をかけるには十分な票数を得ていた。

「いずれユニヘアーも手放すのではないか」

   スティールがそこまで関与していたサッポロHDなどに見切りをつけて売却し、残るは筆頭株主として経営に関与するユニヘアー(旧アデランス)のみとなったことは、市場で「完全な手じまい」に向けて動き出したものと見られており、「いずれユニヘアーも手放すのではないか」(国内証券幹部)との推測も出始めた。

   背景には、「『小粒ながら割安で成長が見込める日本企業』の魅力が薄れた」(外資系証券アナリスト)ことがあると見られている。確かにスティールが投資してきたのは、大手でも自動車、電機などに比べ相対的に時価総額が少ない食品企業が中心。しかし、世界各地で地元有力企業が多数競い合う食品企業はドメスティックな企業でもある。

   1950年代から海外展開を進めて海外売上高比率が4割を超えるキッコーマンは例外だが、2000年代に入って海外企業を買収し続けるキリンホールディングスで海外売上高比率は25%程度。アサヒビールやサッポロHDでも5~6%程度にとどまる。となれば、縮小する一方の日本市場のプレーヤーに見切りをつけても不思議ではない。日本企業がスティール撤退を、もろ手を挙げて喜べる状況でもなさそうだ。

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