2024年 4月 18日 (木)

築地市場の競りで買い手つかず 放射性物質検出で茨城の漁業打撃

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   茨城県北茨城市の漁港に水揚げされたコウナゴから、高濃度の放射性物質が検出された問題は、同県の漁業関係者に大きな打撃を与えた。コウナゴは当面出荷停止、他の魚介類も市場で買い手がつかないなど影響が出ている。

   震災以降、消費者の外食自粛などで魚の消費が落ちていたところに今回の問題が追い打ちをかけ、魚介類のさらなる買い控えや値崩れが懸念される。

スーパー鮮魚売り場には、関東以西の産地の魚介類

魚介類にも風評被害の懸念が(写真はイメージ)
魚介類にも風評被害の懸念が(写真はイメージ)

   東日本大震災の影響で出漁を控えていた茨城県の漁業関係者。漁が再開して間もない2011年4月4日、北茨城市の平潟漁協が検査用に採取したコウナゴから、1キログラムあたり4080ベクレルと高濃度の放射性ヨウ素が検出された。翌5日には同市内の大津漁港で、食品衛生法上の暫定規制値を上回る同526ベクレルの放射性セシウムを含むコウナゴが見つかる。魚については放射性ヨウ素の基準がなかったため、厚生労働省は4月5日、魚介類の暫定規制値を野菜と同じ2000ベクレルに設定した。

   茨城県魚政課に聞くと、県内11の漁協でコウナゴの当面の出荷自粛を決定。それ以外の魚についても、4月6日はほとんどの漁協で出漁を見合わせたという。コウナゴ以外の魚からは、規制値を超える放射性物質は検出されなかったが、5日の水揚げ分の魚価は低調で、地元の市場でも半額以下、6日朝の築地市場の競りでは買い手がつかなかったという。

   宮崎産カツオ、愛知産アサリ、鹿児島産サバ――。2011年4月6日、都内スーパーの鮮魚売り場には、関東以西の産地の魚介類が目立つ。関東近海産を探すと、千葉産のホウボウがかろうじて見つかった程度だ。地元茨城ではどうか。利根川の河口に近い同県神栖市に住む主婦に聞いたところ、スーパーには「銚子産」とラベルのついたイワシやヤリイカ、キンメダイがパック入りで販売されていると話す。ただし「鮮魚コーナーは以前より縮小していました」。以前は見かけない大分産や静岡産のシラスも並んでいたそうだ。

   神栖市から、利根川を挟んだ反対側には千葉県銚子市がある。神栖市の「はさき漁業協同組合」に所属する漁船が4月5日、ボタンエビやキンキなどを銚子漁港に水揚げしようとしたところ、漁港側から拒否された。神栖市沖でとれた魚も、しばしば銚子に水揚げされていたようだが、同じ茨城県沖でとれたコウナゴから放射性物質が検出されたことを受け、「茨城産」の魚が持ち込まれるのを避けたかったのだろうか。

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