2024年 3月 28日 (木)

ギスギス職場に「ビズチョコ」人気 人間関係の潤滑油になる

   オフィスで、「お菓子の手渡し」が注目を集めている。チョコレートに「手書きメッセージ」を添える「ビズチョコ」という方法だ。社内のコミュニケーションを活発にするために、会社ぐるみで積極的に取り入れるところも出てきた。

   採用代行のツナグ・ソリューションズは、週に1度「お菓子の日」を設けている。チョコレートやキャンディ、クッキーやせんべいなどを共有スペースに用意し、スタッフは自由な時間に好きなだけ食べることができる。

メッセージ書き込めるパッケージも登場

甘いお菓子がギスギス職場を和ませる(JTBモチベーションズの研修風景より)
甘いお菓子がギスギス職場を和ませる(JTBモチベーションズの研修風景より)

   取引先からの差し入れや旅行のお土産などがあると、スタッフが集まって会話がはずむ――。こんな光景を見た若手スタッフから、「会社でお菓子を常備してくれたら、適度な息抜きになって仕事もはかどる」という声があがった。

   仕事中の飲食は禁止という会社は少なくない。雑談がはずんで仕事に差し支えるのでは、と心配する人もいたが、実際にやってみるそんなことはなく、仕事のオンとオフの切り替えがうまくいくようになった。

   2つのフロアに分かれて働くスタッフの交流も盛んになり、「くじ引き」で選ばれた人同士がお菓子を手渡しする取り組みも始まった。いまでは購入費用は会社の福利厚生費から出している。

   社員研修のコンサルティングなどを行うJTBモチベーションズでも、お菓子を通じたコミュニケーション方法の研究を進めている。いま試みているのは、小分けになったチョコレートのパッケージに「手書きメッセージ」を添えて手渡しする「ビズチョコ」という方法だ。同社で実施するモチベーション研修でもビズチョコを用いている。

   油性のサインペンで「いつもありがとうございます」「今月もおつかれさまでした」「次もヨロシク」などと添えると、相手の人となりも伝わる。手書きスペースをあらかじめ設けた「キットカット オトナの甘さ」(ネスレ)を活用している。

   同社研究開発チームの野本明日香さんは、「ビズチョコ」がギスギス職場に与える効果について次のように説明する。

「インターネットの普及で、デジタル情報の伝達が飛躍的に効率化した部分もありますが、対面や肉声、モノを通じたアナログの情報交換が不足がちになりました。コミュニケーションの基盤には人間同士の信頼感や親近感が不可欠で、そういう感情を共有しないコミュニケーションは、受け手に強いストレスを与えるのです」
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