2024年 4月 30日 (火)

東京都「第2東電」で動き出す 東電を厳しく批判、自前の電力確保へ

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東電の高コスト構造にも切り込む

   自前発電の狙いを猪瀬副知事は「東京湾岸には合計1000万kwの東京電力の老朽火力発電所がある。原発事故処理で体力の落ちた東電に、それらをリプレースするための資金(1兆円)を調達することは難しい。官民連携ファンドの立ち上げにより、非東電の民間参入で老朽火力のリプレースを速やかに進めることができる」と説明する(1月24日BPネット「猪瀬直樹の『眼からウロコ』」)。

   ただ、発電事業に新規参入しても東京電力の送電網を使い、「託送料」を払わなければならい。これをいかに下げるか。そこで猪瀬副知事が繰り出した次の手が東電のコスト構造への切り込みだ。

   東電が4月からの企業向け電気料金を平均17%値上げすると発表すると、大株主の立場も利用して、1月26日、東電などに対し、さらなる経営合理化などを求める緊急要望書を提出。猪瀬副知事は会見で経営合理化で2012年度1934億円の経費削減としていることについて、「家賃が高い子会社事務所の移転や、自社ビルの売却だけでも約100億円捻出できる」などと具体的に無駄を指摘して攻め立てた。

   2月1日に東電が「回答書」を出したが、猪瀬副知事は3日、東京電力の皷副社長を都庁に呼んで、内容が不十分だとして、報道陣の前で「東京都としてはこれを受理するわけにはいかない」と突き返すパフォーマンスも見せた。

   こうした都の攻勢で、「東電は企業向け値上げのドサクサで宅送料引き上げを狙って水面下で動いていたが、都に値上げ自体を責められ託送料を言えるような状況ではなくなった」(エネルギー業界筋)というのが現状だ。

   東電は「財政支出を抑えたい財務省の威光を利用して経営自主権維持と、その裏付けとなる大幅値上げを狙っている」(霞が関筋)といわれるが、枝野幸男経産相の真意は今ひとつはっきりしない。今後の一般家庭向け料金値上げも含め、「東京都ペースで事態が進展することに焦りを深めている」(業界関係者)と見る向きが多いようだ。

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