東日本大震災、聴覚・視覚障害者の死亡率は2倍 避難所でも大きなハンディ負う

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   目や耳に障害があると、日常生活に苦労する。ましてや、2011年3月の東日本大震災のような状況ではどうだったか。一般からはなかなか想像できない大震災下の聴覚・視覚障害者の困惑ぶりが12年4月21日、東京で開かれた医療・福祉関係者の交流会で語られた。

「移動と情報の不自由」強いられる

   財団法人全日本ろうあ連盟事務局長の久松三二さんは救援活動に取り組んだ。NGO団体などは、岩手、宮城、福島3県の聴覚障害者1671人の安否を調べ、17人 (1%) の死亡を確認した。一方、NHK調査によると、3県には聴覚障害者が3753人おり、2%の75人が犠牲になっていたとわかった。安否確認や支援活動では個人情報保護法が支障になった。聴覚障害者の死亡率は健常者を含めた全体の死亡率の2倍だった。

   最大の情報源であるテレビでは、字幕や手話通訳が重要だ。欧米ではかなり多くの番組に手話通訳が付いている。また、お隣の韓国でも放送法を改正し、聴覚障害者の支援を義務づけ、2016年までに字幕は100%、手話は5%の達成目標を定めた。

   一方、日本のテレビでは総放送時間の4割強に字幕が出るが、くわしく内容を追える手話通訳付きはNHK教育放送が2%ほどで、他はほとんどなく、「努力目標」にすらなっていない。久松さんは手話通訳の必要性をこんこんと訴えた。

   視覚障害者の支援団体・神戸アイライト協会会長の新阜(におか)義弘さんは「移動と情報の不自由」を訴えた。視覚障害者は慣れない場所では動けず、とくに避難所でのトイレは、後の処理をだれかに頼まざるをえず、苦労した。

   ラジオ、テレビの情報は、ラジオ所持が少なく、テレビのテロップが音声化されない場合が多かった。また避難所のさまざまな情報が張り紙であったことで疎外された。

   障害者手帳を持つ視覚障害者の66%は65歳以上で、中高年になってから障害が深刻になったケースが多く、見えない状況を家族にもはっきりいっていない場合もあった。「視覚障害は災害時の大きなハンディキャップだ」との新阜さんの叫びが耳に残った。

(医療ジャーナリスト・田辺功)

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