ギリシャ「取り付け騒ぎ」の様相に 未曾有のパニック?が迫ってきた

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   欧州連合(EU)にとどまれるかどうかの瀬戸際に立つギリシャで、銀行預金を引き出す動きが加速している。このままだとEUの共通通貨「ユーロ」から離脱する可能性があるため、預金者が不安になっているためだ。

   海外メディアは、ギリシャのパプリアス大統領が2012年5月14日だけで、8億ユーロ(約817億円)が引き出されたことを明らかにした、と伝えている。

預金引き出しの動きに拍車

   テレビなどを通じて映し出されるギリシャからの映像は、多くの預金者が銀行ATMから現金を引き出す「取り付け騒ぎ」の様相だ。ギリシャではここ数か月にわたって、銀行から預金を引き出す動きが持続的に起きていたが、それが激しくなった。

   ロイター通信などによると、パプリアス大統領はギリシャ中央銀行のプロボポラス総裁と銀行預金の引き出しについて協議し、「(現時点で)パニックは起きていないが、パニックに発展する恐れはある」との見方を示したという。

   引き出された預金は、ギリシャ国外の銀行に預け替えられているとみられる。

   ギリシャは総選挙後の連立協議が決裂し、6月17日に再選挙が実施される。しかし、その結果しだいではユーロを離脱し、旧来の通貨である「ドラクマ」に移行する可能性がある。しかも、それが現実味を帯びてきた。

   信用力のない、財政破綻した国の通貨に市場価値はない。ギリシャ国民が自らの資産を守るためには、海外口座で外貨を保有するか、あるいはユーロを抱えて海外に移住してしまうしかない。

   国外に脱出してしまえば、ユーロはそのまま使えるし、少なくともギリシャ国内で暮らすより、裕福な生活が送れるだろう。

ギリシャ国内では生活できなくなる?

   ギリシャがEU、またユーロから離脱した場合の経済的な苦境は、おそらくは筆舌に尽くしがたいだろう。

   これまで、ユーロ圏から離脱した国はない。現行では法的な制度や枠組みもなく、欧州中央銀行(ECB)や国際通貨基金(IMF)などが議論しているところでもある。

   しかし、SMBC日興証券・金融経済調査部の債券ストラテジスト、嶋津洋樹氏は「EUを離脱すればその段階でユーロは使えなくなるでしょう。また、ギリシャの新たな首相がユーロ離脱、新通貨『ドラクマ』を、一方的に宣言することも考えられます」と予測。おそらくは、ギリシャ経済はすぐさま混乱に陥る。

   ユーロから離脱したギリシャの国民生活はどうなるのだろうか――。

   嶋津氏は「エコノミストの中には、ドラクマ安に陥ることで一定程度の混乱さえ抜ければ輸出では有利に働き経済が回復すると、楽観的な人もいるようですが、そのようなことにはならないと考えています」と話す。

   「ギリシャはエネルギーの8割を輸入に頼っています。ドラクマで決済ができなくなれば、まずエネルギーが入ってきません。それだけでもう生活はできませんし、国が機能しません」と指摘する。

   ユーロになって安い外国製品が輸入されるようになったことで、ギリシャからは「モノづくり」も消えた。いまや観光業でもっている国なので、「輸出」する産業もない。

   「ギリシャ国内はECBもIMFも手の打ちようがなくなって、国連の専門機関などの別の枠組みでの支援が必要になる可能性がないとはいえません」と、嶋津氏はいう。

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