2024年 4月 24日 (水)

「血で固めた同盟」に緊張走る 北朝鮮船が中国船拿捕、1500万円要求

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   「血で固められた同盟」を結んでいるはずの中国と北朝鮮との間に、微妙な緊張が走っている。黄海で操業していた中国漁船が北朝鮮の船に「乗っ取られ」、1週間以上も乗組員の拘束が続いているのだ。北朝鮮側は漁船と乗組員を返還する条件として金銭を要求しており、中国の対北朝鮮感情が急速に悪化する可能性も出てきた。

拘束翌日に船長から電話がある

   中国紙「新京報」が2012年5月17日に報じたところによると、中国のトロール漁船3隻が黄海で操業していたところ、北朝鮮の武装した小型の船が接近。船長を含めて29人が拘束された。GPSの記録から、中国側は中国の領海内で操業していたと主張している。

   拿捕された漁船「23536号」の韓強船長は拿捕翌日の5月9日、船主の張徳昌氏に電話することが許された。張氏が新京報に明かしたところによると、北朝鮮側は、船と船員を返還するために1隻あたり40万元(500万円)、計120万元(1500万円)の送金を要求。船は北朝鮮の領海に無理矢理連行され、船にあった物資は持ち去られた。船員9人は3平方メートル程度の船室に閉じ込められているという。

   5月11日、13日にも電話があり、北朝鮮側は要求金額を90万元(1130万円)にまでディスカウントする一方、支払い期限を17日に設定。それまでに支払われなかった場合は船を売却するとしている。だが、船長側は

「そんな多額の支払いはできない」

と、お手上げ状態だ。

中国外務省「北朝鮮側とは密接に連絡を取り合っており、出来るだけ早く解決したい」

   中国が北朝鮮に対して核実験を行わないように自制を求めている矢先での事件で、両国関係が悪化する可能性もある。中国外務省の洪磊報道官は5月17日の定例会見で、

「北朝鮮側とは密接に連絡を取り合っており、出来るだけ早く解決したい。北朝鮮側には、船員の安全と法的権利が守られるように求めている」

と、北朝鮮と協議を始めたことを明らかにしたが、金銭要求については説明を避けた。中国政府は事態を早期に沈静化したい考えのようだ。

   中国メディアは、北朝鮮側の船が武装していたことなどから、朝鮮人民軍の一部が中国マフィアと結託し、身代金目的で行った犯行だと見ている。北朝鮮側は、現時点では公式な反応を示していない。

   通常であれば、このような事件に対しては、ニュースサイトのコメント欄は他国を批判するコメントで埋め尽くされるが、今回に限っては北朝鮮を批判するコメントは、ほとんど見あたらない。事件に関する書き込みが制限されている可能性もある。

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