65歳定年の導入巡るNHK収録で 城繁幸氏が慶応塾長に喧嘩うる

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   NHK・Eテレで2012年11月2日に放送された「団塊スタイル」。「熱論!シニアが働きたいのは欲張り!?」をテーマに討論したのだが、そこで激しいやり取りがあったことを人事コンサルタントの城繁幸氏がブログで明かした。

   城氏とバトルをまじえたのは、65歳定年の導入など、政府が進める雇用制度改革の「旗振り役」とされる慶應義塾大学の清家篤塾長だ。

「65歳雇用の義務化とは、男性高齢正社員への究極のプレゼントだ」

城繁幸氏のブログには、放送されなかった慶應塾長とのやり取りが記されている。
城繁幸氏のブログには、放送されなかった慶應塾長とのやり取りが記されている。

   城氏は11月4日のブログで、「僕が慶應義塾長とケンカしたわけ」と題して、Eテレ「団塊スタイル」で放送されなかった場面について、「非常に重要なやり取りなので」として、以下のように綴った。

   収録時には清家塾長が「高齢者の就労比率の高い国は若年のそれも高い」ことを示したグラフを使って、世界的にみても「日本の雇用規制は厳しいというのは非科学的」であると説明した。

   これに対して、城氏は日本の正規雇用者の解雇はむずかしく、その事実はOECD(経済協力開発機構)やILO(国際労働機関)が、日本政府に正規と非正規の格差是正を勧告していると指摘。そのうえで、「解雇規制の強さで高齢者の就業率を引き上げるのはナンセンスであり、まずは正規雇用の強すぎる解雇規制を緩和すべきではないのか」と質した。

   しかし、清家塾長から明確な回答は無く、この部分は放送されなかった。

   城氏は「65歳雇用の義務化とは、男性高齢正社員への究極のプレゼントだ」という。高齢者に5年間の安定雇用をもたらす代わりに、若者や女性や非正規雇用から職を奪い、おそらくは解雇しやすい非正規雇用者がもっとも被害を負う、と見る。「OECDやILOの勧告に完全逆行する形で、特定グループに純度100%の利益誘導する政策を推進する慶應義塾長の姿勢には、強い憤りをおぼえる」と、糾弾している。

激しい「バトル」はカットを予測していた?

   この日の番組を見ていた人は、城氏のブログを読んで「出演者の顔がこわばってピリピリしていた印象があったがそういうウラがあったのか。議論もちぐはぐなものがパッチワークのようにつぎはぎになっていて異常な印象を受けた」とのコメントを寄せている。

   視聴者にも、なにやらひと悶着あったような雰囲気が画面から伝わっていたようだ。

   ブログには、「派遣の利点を『正社員保護』の利点に摩り替えている部分が多いと感じて、不消化感というか異物感の大きい番組だった」とのコメントがある半面、「慶應の塾長になにか個人的恨みでもあるのかと思えるような感情的な文章だ」との意見もみられる。

   もっとも、城氏は「バトル」の場面が放送されないことを覚悟していたようだ。

   2012年10月30日の、「団塊スタイル」への出演を知らせるブログでは、「高齢者が働くのは大いに結構なことだが、法で一方の雇用だけ保護するのはおかしいでしょ?という趣旨を伝えるべく孤軍奮闘したつもりだが、番組の趣旨上どこまでオンエアされるかはわからない」と記していた。

   11月9日のEテレでは、後編「地域よ!日本よ!シニアを生かせ」が放送される。

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