「違法ファイル共有男」イブにまさかの自首 大量ダウンロードで「逮捕されると不安になり…」

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   「自首しに来ました」――2012年12月24日、クリスマスイブでにぎわうお昼過ぎ、福岡郊外の街・筑紫野の警察署に、1人の中年男が出頭した。

   少し強い風の吹く、寒い日のことだった。いったいどんな罪を犯したのか。警察官は緊張しながら、男の言葉を待った。

「実は10年ほど前から、Winnyなど複数のファイル共有ソフトを使って、アニメや音楽やゲームなどを1万個以上ダウンロードしていたんです……」

「最強ソフト」逮捕の報道に観念した

   この「自首」から4か月弱経った2013年4月11日、筑紫野署は春日市在住の無職男性(39)を著作権法違反(公衆送信権の侵害)容疑で福岡地検に書類送検した。

   ファイル共有ソフトをめぐってはこの10年余り、アニメの映像や音楽ファイルの違法なやりとりが問題となっている。検挙にいたる件数も少なくないが、しかし「自首」で発覚したというケースはほとんど例がない。

   男性は自首を決意した理由について、警察官にこう語ったという。

「2ちゃんねるで、ファイル共有ソフト『Perfect Dark』の利用者が逮捕されたというニュースを1週間ほど前に見ました。自分もこのソフトのヘビーユーザーなので、逮捕されるのではと不安になり……」

   Perfect Darkは匿名性が高いため逮捕されにくく、利用者からは「最強のソフト」との異名を奉られていたソフトだ。しかし12年11月、警視庁など5都府県警は民間解析会社の協力で違法利用者の身元特定に成功、8人を一斉摘発した。

   この事件は2ちゃんねるでも「最強伝説終了」とかなり話題になっていた。Perfect Darkのヘビーユーザーだった男性も、当然このニュースを見たはずだ。

「罪の意識もあったのでは…」

   また12年10月には、改正著作権法の施行でいわゆる違法ダウンロードの「刑事罰化」も始まっていた。こうした情勢の変化に、10年間にわたり不正なファイル共有を続けてきた男性も「もはや時間の問題」と観念したのだろう。筑紫野署は、「罪の意識もあったのでは……」とその心情を忖度する。

   結局、警察は1万点に及んだ多量のファイルの中から、アニメやゲーム、漫画など4点につき、ファイル共有ソフトを通じ不特定多数が利用できる状態になっていたとして、著作権法違反で書類送検とした。男性が覚悟していた「違法ダウンロード」での送検は見送られた。

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