2024年 4月 25日 (木)

朝ズバッ!の「大島町長吊るし上げ」 番組批判の声が巻き起こる

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   台風26号による大雨で甚大な被害が出た東京・伊豆大島の大島町では、今なお懸命な救出活動が行われている。

   災害発生時に町長も副町長も不在だったことや、避難勧告が出されなかったなどで自治体の対応にも批判が出ていたが、一転町長を擁護する意見や、同情の声も上がり始めた。その原因は、TBS系「みのもんたの朝ズバッ!」の放送内容にあるようだ。

「原発事故発生時の東電のよう。絶対気が抜けていた」

   13年10月18日放送の「朝ズバッ!」は、伊豆大島の災害について「自治体の対応はどうだったのか」という話題から始まった。

   災害発生前日の10月15日から町長と副町長が出張で不在、土砂災害警戒情報が発表された15日18時過ぎから気象庁、東京都が再三町に対策を要請していたが避難勧告は出されず、町役場と町長の電話でのやり取りは15日16時頃と16日3時頃の2回のみだった、などと説明された。

   コメンテーターの毎日新聞論説委員・与良正男氏は、「救出活動が続く中こんなことを言うのは酷だが」として、「何度も避難勧告を出すチャンスがあったのではないか。防災担当の職員も15日の夕方には帰宅していたという話もあり、大事な時に役場が手薄になっていた」と指摘。

   経営コンサルタントの吉越浩一郎氏は「町長が今やらなくてはいけないのは、謝ることじゃなくて人命救助」としながらも、「なぜ町長も副町長もいなかったのか。原発事故発生時の東京電力のよう。絶対気が抜けていた」と糾弾した。

CM挟んで20分にわたり町長が中継で生出演

   7時30分過ぎからは、大島町役場の屋上から川島理史町長が中継で生出演した。

   井上貴博アナウンサーから「後ろを振り返って、改めて町の様子を見て、どんな思いですか」、現地にいる奥平邦彦レポーターからも「対策について厳しい声も浴びていますが、心境は」など現在の気持ちを問われ、川島町長は「辛い思いでいっぱいです」「行政のトップとして責任を一生背負って、しっかり今回の教訓を汲み取って本当の防災の島にしていく」と心苦しそうに答えていた。

   90秒ほどのCMを挟んだ後は、コメンテーターからも質問が飛んだ。

   与良氏が「事前の報道でも10年に1度の台風と言われていたが、対策が不十分だったのでは」と指摘すると、「かなり大型の台風と言われていたのに出張に行ったのは認識が甘かった。これまで火山の噴火や地震、大雨、台風などの災害が多かったので、経験則に頼ってしまった。防災マニュアルも十分ではなかった」と認めた。

   「一番問題だったのは防災担当の職員が帰宅していたことで、役場が手薄だったのでは」と聞かれると、「夜中の2時に非常配備体制を取ることは決まっていたので、その時に集まろうということで一部の職員を除いて帰宅した」と説明した。

   3時頃に役場から電話があった時は既に土砂崩れが発生していて、そこで避難勧告を出すと被害が増幅するおそれがあったため、結局勧告が出せずに終わったという。「(気象庁、都から連絡があった)18時の時点で避難勧告を出さなければならなかった」と悔やんだ。

   一連の話を聞いて、吉越氏は「いまだ行方不明の人がいるのに、ずっと見てても捜索犬が2匹しかいない。日本中探せば何十頭といるのではないか。反省会は後にして、重機なども揃えて救助活動に全力を尽くすのが今町長がやるべきことだ」と批判した。

   7時54分、CMを挟んで約20分にわたる中継が終了した。

「わかりきったくだらない質問するな」「個人攻撃はやめて」

   今回の大島町の対応については多方面から非難の声が上がっていて、J-CASTニュースの記事にも「町長も副町長もどこへ行ってたんだ。危機意識が全くない」「行政の怠慢。自分のことしか考えず周りを見ていないのは首長としてあるまじき行為」といったコメントが寄せられた。

   しかし「朝ズバッ!」を見た人からは、

「朝ズバが酷い。この大変な状況で大島町長をインタビュー。しかも途中でCMを入れて町長を待たせる」
「早朝から、災害対応に忙しいはずの大島町長を呼び出して 目を三角につり上げて、つるし上げ 『早く捜索、救出しろ!』って だったらくだらん番組に呼び出すなよ!」
「町長の糾弾はするべき所がしてるんだからそれ以外の時間は全部人命救助や復興の為に使うべきだよ。『この光景をみてどう思いますか?』なんてわかりきったくだらない質問するなよ」
「なんだかんだ心配するようなふりして責めているようにしか聞こえない。長年、島で暮らして来た人にも想像できなかった。個人攻撃はやめて」

など、「今町長を責めるべきではない」という声が上がり始めている。

   大島町の被害は10月18日15時現在、死者23人、安否不明者26人となっている。

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