市営住宅250万円滞納の奈良市職員 懲戒免職にならない不思議

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   奈良市の現職職員が市営住宅に入居し続け、4年余の家賃約250万円を滞納していた問題は、なぜ懲戒免職にならなかったのかと、ネット上で疑問が上がっている。

「差別行政を絶対に許さん!!」「部落をなめんな」

   奈良地裁の係官らが2013年11月12日、男性職員(55)を強制退去させるため部屋に踏み込んだとき、ドアの内側には、こんな殴り書きが貼ってあった。

それ以前も、400万円余を滞納していた!

   この男性職員は、06年9月から奈良市営住宅の3DK家賃を滞納し続け、再三の督促にも応じてこなかった。現在は、保護第2課の主任をしているが、その間に一時、市営住宅を扱ってはいないものの、滞納整理課の係長もしていたという。

   しかし、市は、11年12月に賃貸契約を解除し、翌12年2月に未払い家賃の支払いと部屋の明け渡しを求めて職員を奈良地裁に提訴した。これに対し、職員は、2か月後に家賃全額を支払ったものの、裁判では、契約解除は無効だと主張した。13年6月に最高裁で明け渡しなどを命じる判決が確定した後も、職員が部屋に居座り続けたため、市は、9月に強制執行を申し立てていた。

   今回の執行を受け、仲川元庸市長は、懲戒処分を含めて検討したいと明かしたと報じられている。

   このニュースが流れると、ネット上では、「懲戒免職でよかろう」「まだ『現職』ってのがあきれるね」「最高裁まで行くってどうゆうことだよ?」と、市の甘い対応を指摘する声が相次いだ。

   そもそも、男性職員が滞納をしたのは、今回だけではなかった。

   1998年~2005年まで、400万円余を滞納していた経緯もあったのだ。06年に大阪高裁で未払い家賃の支払いを求める判決が確定し、市は職員の給与を差し押さえするなどした。その結果、08年までに職員は全額を支払う形になっている。

市営住宅には差別解消目的もあるのに居住権を侵害と訴える

   男性職員が滞納を始めたきっかけは、公営住宅法の改正で、奈良市が1998年から市営住宅の家賃制度を変えたことがあった。

   それまでは家賃の上限を決めるやり方だったのに、所得に応じて家賃を決めるやり方に変えたのが不満だったらしい。2000年12月19日付大阪読売新聞によると、市職員12人が、それまでの8倍ほどに家賃がアップするケースもあったとして、値上がり分の支払いを2年以上拒否する事態にまでなった。職員らは部落問題に関わっており、市営住宅には差別解消目的もあるのに居住権を侵害しており憲法違反だとコメントしていた。

   奈良市の住宅課では、取材に対し、男性職員も部落問題から家賃制度に納得できないと主張していることを認めた。職員は、市営住宅の自治会長もしているという。ただ、「生活が苦しければ住む権利はありますが、一般市民の方と平等の扱いになります。家賃を支払う義務はあり、今回は市の職員にもかかわらず残念だ」と言っている。

   職員が入居したのは、市役所に入ってからではなく、子どものころからだったそうだ。もっとも、職員の給与が高くなれば、市営住宅から退去してもらうことは必要だとした。この職員のほかには、現在は滞納などのケースは出ていないという。

   一方、市の人事課では、これまで男性職員が懲戒免職などにならなかったことについて、家賃滞納は懲戒処分の指針に項目がなかったからだと説明した。督促したり明け渡しを求めたりして対応していたので、指針を変えるまでにはならなかったという。

   今回強制執行を受けたことで、職務命令無視、信用失墜行為といった地方公務員法違反に当たるとして、今後懲戒処分を検討することになるとした。しかし、懲戒免職になるかどうかは分からないとしている。

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