過去最高益でも大規模リストラ JTは何を目指そうとしているのか

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   国内たばこ販売で約6割のシェアを誇る巨人、日本たばこ産業(JT)が、国内9工場のうち4工場を閉鎖する大規模リストラに踏み切る。JTは2013年3月期に過去最高益を上げているが、国内の喫煙者減少の構造は変わらないと判断したもので、今後は海外たばこ事業のほか、食品、医薬品など他の事業に一段と投資を集中する。

   閉鎖するのは、キャビン・マイルド・ボックスなどを製造する郡山(福島県郡山市)▽ピアニッシモ・ルーシア・メンソールなどを作る浜松(浜松市)▽葉タバコを加工する平塚(神奈川県平塚市)▽チップペーパーという材料を作る岡山印刷(岡山市)の4工場。平塚は2016年末、それ以外は2015年末で廃止する。いずれも源流をたどると、戦前まで遡る由緒ある工場で、地元自治体からは惜しむ声も出ている。

生産体制を縮小しても、供給不足に陥ることはない

大規模リストラへ(画像は、JTのサイト)
大規模リストラへ(画像は、JTのサイト)

   全国の営業拠点も、2015年4月から、現行の25支店を15支社に再編。自動販売機の開発・製造・販売を行う特機事業部(兵庫県明石市)も2015年3月末で廃止する。こうした構造改革の結果、本体社員の約2割に当たる1600人規模の希望退職募集などを実施する方針だ。これまで設備が過剰だったため、生産体制を縮小しても、供給不足に陥ることはないという。

   JTは2013年3月期の連結純利益が3436億円と過去最高をたたき出し、2014年3月期もそれを更新する見通しとなるなど、業績は絶好調。それでも大規模リストラを断行するのは、国内たばこ市場が縮小の一途をたどり、反転の可能性が全く見えないためだ。

   日本たばこ協会によると、2012年度の国内たばこ販売数量は1951億本で、ピークだった1996年度に比べ4割強減少。喫煙者率も低下傾向で、JTが今年5月に実施した調査では、20.9%(男32.2%、女10.5%)と18年連続で減っていて、2割を割りこむ寸前だ。

   健康志向による非喫煙者の増加、たばこ税増税、電車、タクシー、駅構内、飲食店など喫煙場所の減少、禁煙治療への保険適用――。喫煙者やJTへの逆風を挙げたら切りがない。来年4月には、消費税率が引き上げられ、たばこには1箱10~20円程度転嫁されるとみられている。これまでいくつか関連工場を閉鎖してきたが、消費増税によって、販売数量の減少にさらに拍車がかかるのは必至であり、一段のリストラが不可避と判断したようだ。

たばこ市場で「世界3強」の一角を確保

   もっとも、JTにとって、国内たばこ市場の縮小は「折り込み済み」で、早くから海外への布石を打ってきた。1999年には米「RJRナビスコ」の米国以外のたばこ事業を買収。2007年には、英たばこ大手「ギャラハー」買収に、2兆2000億円を投じた。この甲斐あって、米フィリップモリス、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコと「世界3強」を形成。海外たばこ事業の売上高は全体の5割弱を占め、国内たばこ事業の3割強を大きく上回っている。ただ、一部の先進国では、増税による価格上昇やパッケージ表示の制限など、日本と同様に逆風もあり、海外たばこ事業が順調に拡大するかは見通せない。

   JTはほかにも、缶コーヒー「ルーツ」ブランドを持つ飲料事業や、冷凍麺などの加工食品事業、鳥居薬品などの医薬品事業を抱え、多角化にも注力してきた。だが、これらもまだ大きくは育っていないのが実情。

   国内たばこ事業で「大なた」をふるった後、それを補って余りある収益の柱を育てることができるか、課題は多い。

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