東大法の「就職力」じわじわ低下 「法曹」「高級官僚」の魅力薄れ、行き先に悩む

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   「東大法」といえば、前身の東京帝大法学部から15人もの総理大臣を輩出したエリート中のエリート集団。ところが、最近では就職先に悩むケースが増えているという。

   「東大法」の看板をもってすれば、それほど就職に苦労するとは思えないが、じつは東大法には東大法の悩みがあるようなのだ。

就職力弱さを「相当数の受験生や保護者が把握している」

かつては多くの傑物を輩出してきた「東大法」の就職力が弱まっている
かつては多くの傑物を輩出してきた「東大法」の就職力が弱まっている

   ここ数年、大学文系の最難関である「東大法」は人気のうえでもやや低下していて、受験者数も減っている。2013年度の入試では、法学部進学を前提に入学している文科一類(文I)の倍率が3倍を切り、13年ぶりにセンター試験での「足きり」が実施されなかった。

   13年度ではもう一つ、東大独自の「進学振り分け」(3年次からの進学先を志望に応じて、成績を基準に振り分ける制度)において、法学部の志望者が少なく、定員割れしてしまったのだ。

   こうした背景には、就職事情がからんでいるとみられる。週刊朝日(2014年3月21日号)は、東大法を「『日本一』割に合わない『就職力』、経済学部に『抜かれる日』」の見出しで取り上げた。その中で、大学通信の安田賢治・常務取締役は「受験勉強で大変な負担を強いられる割に、その努力に見合う就職状況とはいえない」と指摘。「この『就職力』の弱さを『相当数の受験生や保護者が把握している』ことが、志願者減につながったのではないか」と分析している。

   就職を考えて、文II(経済学部)へ進学する人も増えているという。

   これまで、「東大法」の卒業後の進路は、法曹家やキャリア官僚が「花形」だった。ところが、法曹界へ進むにはロースクールに通わなければならず、最近はたとえ司法試験に合格しても就職難とされる。「法学部」そのものの「お得感」がなくなったことがある。

   また、キャリア官僚(国家公務員)は給料が安いうえにメディアやインターネットでは「官僚批判」が続く。もはや「退官後は天下り先で悠々自適」などということはなくなった。

   これまで「東大法」を卒業さえすれば、将来は安泰と思って毎日頑張って勉強してきたのに、その「頑張り」を生かす就職先がなくなってきたばかりか、描いていた「おいしい」人生設計をもガラガラと音を立てて崩れているというわけだ。

   大学生の就活事情に詳しい、大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は「法曹界を狙って勉強してきた学生が民間志望に切り替えることはありますが、やはり苦戦しています。民間企業の就活はまったく別ものなので、準備が遅れればそれだけ不利です」と、軌道修正が難しいという。

   前出の週刊朝日では、「大学3年の後期試験は完全に就活時期と重なるので、就活が二の次になる。つまり、公務員試験や司法試験を目指すカリキュラムのままで、民間への就活に対応できていない」と、民間企業の就活に挑んだ東大生が証言している。

描いてきた将来像崩れて、「割を食った」

   「東大法」の進路をみると、やはり多くは大学院(173人)に進んでいる。警察庁(8人)や財務省(7人)、日本銀行(6人)、厚生労働省(5人)と省庁にまじり、三菱商事(9人)や三菱東京UFJ銀行(8人)、東日本旅客鉄道(5人)、日本生命(4人)といった「超一流」といわれる企業にも進んでいる(2011年、大学通信調べ)。

   ただ、なかには早々に就職をあきらめて、とりあえず大学院に進学する「院逃げ」もいるとされる。

   一方、受け入れる企業側も「東大法」を、諸手を挙げて歓迎しているわけではないようだ。前出の石渡嶺司氏は、「難関を突破しようと受験勉強に追われ、入学してからも司法試験などを目指して勉強に明け暮れ、社会との接点をもってこなかった。その弊害は大きいです」と指摘する。

   「東大法」なのだから、勉強ができて、頭がいいことはわかっている。しかし、「企業は組織ですから、ほかの社員と協力してやっていってもらいたい。しかし面接などで、『いっしょに働くことができないのではないか』と思わせる場面がいろいろとあるようです」と石渡氏。要はコミュニケーション能力の欠如ということらしいが、「東大法」にしてみれば、法曹家やキャリア官僚といった将来像が崩れて、「割を食った」思いが強いのかもしれない。

   ちなみに戦後、吉田茂や鳩山一郎、岸信介らが「東大法」を卒業して総理大臣に就いたが、最近では1991年の宮澤喜一元首相が最後。しかも、いずれも東京帝大法の卒業なので、新制の「東大法」出身の総理大臣は一人もいないことになる。

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