2024年 4月 25日 (木)

アシスタントの初連載が2日前に取り消し 「進撃の巨人」作者「漫画家の人生を考えろ!」と激怒

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   大ヒット漫画「進撃の巨人」の作者、諫山創さんのアシスタントをしていた漫画家が初めての連載を持つことになった。連載が決まったのは数か月前で、連載用5話分の原稿と続きとなる何話分かのネームを仕上げていたのだが、開始2日前に取り消しの判断が下された。

   これについて諫山さんがブログで、「一人の漫画家の人生を何だと思っているんだ」などと出版社に対して激怒したため、背景に何があったのか、ネットで様々な憶測を呼んでいる。

「有害図書指定」に当たる可能性がありコミック化できない?

   連載が取り消しになったと報告したのは漫画家のやまもとありささん。コミックゼノンのWeb漫画サイト「ぜにょん」で14年6月29日から開始するはずだった自身初の連載が、2日前の6月27日に編集者から連載取り消しの連絡を受けた、と2014年7月1日付で自身のブログで明かした。理由は、徳間書店担当者が「有害図書指定に当たる可能性がある」としてコミック化はできないと判断。それを連載させても意味が無いという結論になったのだという。やまもとさんは、

「連載の報告をしたときたくさんのお祝いの言葉をいただいたのに、こんな形になってしまい恥ずかしく思います、すいませんでした」

とブログで謝罪した。14年5月15日には、

「コミックゼノン本誌に告知が載っているとおもうのですが、6月29日よりゼノンのWEB版ぜにょんというサイトで初めて連載させていただくことになりました」

と初連載の喜びを綴っていた。

   こうした展開に「信じられないことがおこりました」と怒りを露わにしたのが「進撃の巨人」の作者の諫山さんだ。作者は自分の表現を突き詰めるために時間と労力を費やし、その間の数ヶ月間は収入のない状態で作品作りに賭ける。原稿5話と何話かのネームが出来上がった状態であるにもかかわらず、その2日前に全てがナシになってしまった。

「タダじゃ済まされることじゃありませんが タダで起きるべきでもないと思います」

   やまもとさんの連載が決まったとの報告を受けたのは「進撃の巨人」の原稿作業中だった。上京して数年間、何度も挑戦し続けた連載を初めて手にしたその瞬間に諫山さんも立ち会った。やまもとさんが小さい声で「...連載決まりました」と告げた瞬間は〆切数時間前の職場が華やいだし、こらえるように涙声でトーンを削る姿に諫山さんも何かこみ上げるものがあった。それがいきなりの連載取り消し。

「人一人の人生に確実に影響するとわかった上で下された判断が 一体どれほどの健全な青少年を救ったのか 知りたいと思いませんか?」

と訴える。

「情報収集後に公式HPで事情を説明する」と編集部

   やまもとさんが連載をするはずだったWeb漫画サイト「ぜにょん」は、「月刊コミックゼノン」などを編集しているコアミックスが担当している。12年10月にヤフーの総合電子書籍サービス「Yahoo!ブックストア」内で創刊し、「コミックゼノン」からスピンアウトした作品などが無料で読める。やまもとさんの作品は「有害図書指定に当たる可能性がある」とされたとしているが、結構際どい作品も掲載されている。

   連載が取り消しになったことについて、やまもとさんのブログのコメント欄には、

「コミックゼノン編集部の判断が甘かったってことですね。先生はなにも悪くないじゃないですか。逆に編集部には、なんらかの賠償責任があると思いますが」
「気になるのは、これで原稿料が出るかどうか・・・これで原稿料がどうなるかは後輩達に伝えていくべき事かと。最近、この手のトラブル増えているようなんで」
「漫画家無視の対応うんざりです。作品読める日を楽しみにしてます」

などといった応援コメントが付いている。

   どうしてこういうことになってしまったのか、今後の対応などについてコアミックスに問い合わせてみたところ、今回の件がネットで様々な物議を醸していることは知っている、としたうえで、

「連載取り消しに関わった各方面に事情を聞いている最中であり、それを整理したうえで近いうちに公式ホームページで説明いたします」

と語った。

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