アルプス電気、会長が「侵略否定」発言? 1000人の中国従業員に囲まれ、謝罪

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   電子部品や音響機器の大手メーカー、アルプス電気の中国広東省の製造委託先の工場で、視察に訪れた片岡政隆会長(68)の発言に、現地の従業員が仕事を投げ出して抗議した。

   片岡会長が第2次世界大戦について、日本が中国に侵略したとの見方を否定する発言をしたと、中国の従業員に伝わったのがきっかけ。約1000人が謝罪を求めて集まり、片岡会長は会議室に閉じ込められたという。

「真意が伝わらなかった…」

中国の工場で、片岡会長が「侵略否定」発言? (画像はアルプス電気のホームページ)
中国の工場で、片岡会長が「侵略否定」発言? (画像はアルプス電気のホームページ)

   騒ぎがあったのは広東省東莞市で電子部品などを製造する「東莞長安日華電子廠」。この工場は1993年に、東莞市長安鎮対外経済発展総公司とALPS物流香港有限公司の合弁会社として設立された。

   中国メディアなどによると、片岡会長は2014年7月1日午前に開かれた工場幹部とのミーティングで、「日本は中国を侵略したのではなく、逆に中国が米国などの植民地状態から脱却するのを助けた」旨を発言。日本を擁護したという。

   これを不満に思った中国人幹部らが猛反発。片岡会長の発言を伝え聞いた従業員が仕事を放棄して会議室周辺などに集まり、撤回と謝罪を求めた。集まった従業員は1000人程度に膨らみ、一時、片岡会長が会議室から出られなくなるなど騒然としたとされる。

   片岡会長の発言内容について、アルプス電気は「一言一句まではわからない」としながらも、「いわれているような発言があったことは事実です」と認めている。

   ただ、「ミーティングの中で、中国人幹部らを鼓舞するような話をしたときに引用したものが誤解を招いたようです」と、真意が伝わらなかったとしている。

   1日午後には片岡会長が発言を撤回し、従業員に謝罪。中国メディアは、現場に残っていた従業員らが「説明はよくわからなかった」「明日もストライキを続ける」「誠意ある謝罪を求める」などと話したと伝えているが、従業員の多くは帰宅。工場外での抗議行動やトラブルもなく、けが人は出ていない。工場設備にも損害はなかった。

   アルプス電気は、「(2日は)通常稼働に戻すように調整しているところです。現時点で製造などへの影響はわかりません」という。

   また、同社は中国国内に100%子会社や委託工場を抱えているが、「事態はすでに沈静化しており、(他の工場などに)波及するようなことはないと考えています」と話している。

中国工場との関係は「非常に良好」

   中国の工場との関係について、アルプス電気は「これまでも良好な関係でしたし、長くよい製品をつくってもらってきました。なかでも、この工場(東莞長安日華電子廠)とは20年以上のお付き合いで、会長自らが視察に足を運ぶほど、非常に良好です」と、強調する。

   日中関係は尖閣諸島の領土問題が表面化して以降、すっかり冷え込んでいる。また、2014年7月1日は日本政府が臨時閣議で、集団的自衛権の行使を容認するための憲法解釈の変更を決定した。自衛隊の海外での武力行使に道を開くものとして、中国メディアの多くが批判的だ。

   今回は、そんなタイミングでの片岡会長の発言がトラブルを招いたが、「政治的な意図も、なにもありません」と話している。

   ちなみに、アルプス電気は片岡政隆会長の父で創業者の故・片岡勝太郎氏が1948年に兄弟とともに片岡電気(現アルプス電気)を創業。24年間社長、14年間会長を務め、電子部品のトップメーカーに育てた。

   片岡会長は家電大手のシャープを退職後、同社に入社。1988年6月に社長に就き、勝太郎氏と同様に24年間にわたり社長を務め、2012年に栗山年弘常務に社長を譲った。

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