争点は「気付いていたかどうか」 多く渡されたお釣り受け取って詐欺容疑で逮捕

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   店員が誤って多く渡したお釣りを申告せずに受け取ったとして、消防士の男(43)が詐欺の疑いで逮捕された。男は「酒に酔っていて覚えていない」と容疑を否認している。

   報道を受け、ネットでは「お釣りもらいすぎると逮捕されるのか...」「そもそも店員が悪いだろ」と衝撃を受けた人が多い。

店員1万5000円をなぜか6万円と勘違い

少額の場合は...
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   事件は2014年12月19日21時45分ごろ、奈良県橿原市のコンビニで起きた。携帯電話代やたばこ、缶コーヒーなど総額約1万3000円の会計に対し、消防士の男は1万円札1枚と5000円札1枚の計1万5000円を支払った。

   本来であればお釣りは千数百円。しかし、アルバイトの女性店員(当時15)は「忙しくてパニックになったため」6万円を預かったと思い込み、男に約4万6000円のお釣りを渡してしまった。受け取った男はそのまま店を出た。

   その後、店側がお釣りを多く渡したことに気付き、警察に被害届を提出。15年1月7日、橿原署は男を詐欺の疑いで逮捕した。

   上記の事件概要が共同通信などによって報じられると、「渡す方が悪いし逮捕する必要あるのかな?」「逮捕?それはやり過ぎでは」「え?これ犯罪なん!?」といった声がツイッターなどネットにあふれた。間違って渡されたお釣りを受け取っただけなのに「ちょっと可哀想な気がする」という意見が目立つ。

   ただ、事件はそう単純ではないようだ。橿原署によると、男には何点か不審な点があったという。

   レジで4万6000円を受け取る際、店員が1000円札を複数回数えていることを男も一緒に確認するような姿が防犯ビデオに映っている。また、任意同行で事情聴取を受けた際に「酒に酔っていて覚えていない」と容疑を否認しているが、防犯ビデオからは酩酊する様子は見受けられず、店内にいたほかの店員からも同様の証言があったという。これらの点から同署は慎重に捜査を進めていた。

数十円でも詐欺罪は成立?

   今回の事件で、男には詐欺の容疑がかかっている。アディーレ法律事務所の鈴木淳也弁護士によると、「今回のケースでは『不作為の詐欺』があてはまる可能性があります」という。

   「通常お釣りが多いと気付いた場合は信義則上の申告義務が生じます。しかし、気づいているのに黙っていたとすると、欺いて利益を得たとして詐欺罪の要件が成立します」という。厳密に法に照らせば、金額が数十円の場合でも詐欺罪が適用される可能性もないとは言えないそうだ。

   今回の事件では4万6000円と高額であるため、裁判になれば「受領した段階で、お釣りが多いことを認識していたかどうか」が争点になるという。

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