2024年 4月 20日 (土)

「ドカベン」銅像、水島新司さんが撤去申し入れ 理由ははっきりせず、様々な憶測を呼ぶ

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   人気野球漫画「ドカベン」の主人公などの銅像について、原作者の水島新司さん(75)が新潟市の商店街に撤去を申し入れていることが分かった。その理由は、よく分かっておらず、ネット上で様々な憶測が出ている。

   ドカベンこと山田太郎の銅像は、商店街の通り上に設置され、バットが大きくしなる豪快なスイングの姿を見せている。最近は、スイングをお尻に受けるポーズで撮る「ケツバット」の写真がネット上でいくつも投稿されて、話題になっていた。

  • ツイッターに投稿された「ケツバット」の様子(写真は まめもや氏@3/31 かなぶどうかーん!  @naaaaaya1127 さん提供)
    ツイッターに投稿された「ケツバット」の様子(写真は まめもや氏@3/31 かなぶどうかーん! @naaaaaya1127 さん提供)
  • ツイッターに投稿された「ケツバット」の様子(写真は まめもや氏@3/31 かなぶどうかーん!  @naaaaaya1127 さん提供)

「作者の意図に合わない」「管理が行き届いていない」?

   銅像には、ドカベンや「あぶさん」など水島漫画のキャラ7体があり、商店街が通りを活性化しようと02年に設置した。新潟市出身の水島新司さんの厚意で、著作権使用料は無償だったという。

   ところが、15年に入って、水島さんから著作権を見直したいとして、商店街に撤去の要請が来た。その理由については、「作者の意図に合わない」ことや自転車を立てかけられるなど「管理が行き届いていない」ことを事務所から伝えられたとの報道もあった。確かに、銅像に人が乗ったりして、バットにヒビが入るなどして修理したことが何度かあった。

   ドカベンの銅像については、ケツバットに関心を持った新潟市在住の写真家が若い女性の写真を何枚も撮り、「ケツバットガール」としてネット上で作品を公開した。3月上旬にニュースにも取り上げられ、こうしたことが撤去要請につながったのではとの憶測もあったが、真相は分からないままだ。

   水島さん事務所の水島プロダクションに取材しようとしたが、何度電話をかけても応答はなかった。銅像のある古町通5番町商店街振興組合では、取材に対し、「設置の継続を求めて、事務所や行政と協議中であり、一切お答えしておりません」と答えた。

   なお、ドカベンについては、神奈川県大和市の大和スタジアムにも、ブロンズ像などが設置してある。しかし、市のスポーツ課では、「うちの方では、事務所から何も連絡が来ていません」といい、新潟市と対応が分かれていた。

観光循環バスなどへのドカベン使用も認めず

   新潟市では、ドカベンのキャラをあしらった観光循環バスやマンガ・アニメ情報館の展示などでも、水島新司さん側がキャラの使用契約を4月から更新しないと連絡してきたことも分かった。新潟日報によると、市は毎年、著作権使用料として約100万円を支払ってきた。

   水島さんと市や県の間では、県立野球場の名称にドカベンを付けることを水島さんが了承したのにもかかわらず、命名権が売却されてしまったことで、水島さんが行政に不信感を強めた可能性が一部で報じられた。水島さんが、にいがたマンガ大賞の最終審査員などを辞任したのは、そのためではないかというものだった。

   これに対し、水島さんは、辞任などは、「行政に対する不信とは全く関係ありません」とのコメントを出した。そのうえで、辞任の理由について、自ら体調を崩したことなどを挙げ、今後は漫画の連載を中心に活動していくとしていた。

   とはいえ、今回については、市などの対応に何か不満があったということはないのだろうか。

   市の文化政策課では、取材に対し、「野球場問題は、終わっている話であり、その影響はないと思います。水島さんとの関係が悪くなっているとも考えていません」と言う。

   水島さん側からは、3月上旬に連絡があり、理由は分からないものの、著作権の管理業務を縮小し、漫画の執筆に専念するためと説明を受けたとした。観光循環バスについては、ラッピングのないバスに差し替え、別の漫画家のキャラにすることも検討する。また、マンガ・アニメ情報館については、しばらく展示スペースを空にし、別の展示に差し替えることも検討するという。ただ、「市を代表する漫画家なので、本当に残念です。マンガ・アニメの街をPRするため、機会があれば今後もお願いしたいと考えています」と言っている。

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