2024年 4月 24日 (水)

拡大するMVNO市場 格安SIMの魅力とは

   自前で通信回線を持たずにモバイル通信サービスを提供す事業者、MVNOが好調だ。

   総務省が2015年3月31日に発表した報道資料によると、昨年12月末時点のMVNO契約者数は892万件で、前年に比べて30%以上という大幅な伸びを見せている。本年5月以降に発売される端末からはSIMロックの解除がキャリアに義務付けられることから、ますますの拡大が予想される。

低価格でも高品質

   人気の最大の理由は通信料金の安さだ。格安SIM大手の「楽天モバイル」を例にとれば、通話ができないデータSIMで月額525円〜、通話もできる通話SIMで月額1250円〜のプランが用意されていて、キャリアが提供しているプランと比較した場合、月々の利用料金は約1/3以下に抑えることが出来る。さらに、利用開始初月無料や、月々の利用料金100円ごとに楽天スーパーポイントが1ポイントたまるなど、楽天グループならではのお得なサービスがついている。ただ安いだけではない。MVNOへ回線を供給しているのは、NTTdocomoやKDDIなど大手通信キャリアであるため、通信速度・音声通話の品質共にキャリアの回線と遜色ない。

   そのため、移動の多いビジネスマンでも、格安SIMだから通信ができないということはないので、ビジネスシーンでの利用も増えているという。

   特に、現在docomoの端末を所持しているユーザーは、多くのMVNO事業者がdocomo回線を利用しているため、格安SIMに差し替えればそのまま通信ができてしまい、乗り換えが容易だ。

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利用シーンに合わせて最適なプランが選択可

   プランの選択肢が豊富なことも人気の理由だ。

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楽天モバイルホームページから

   インターネットやアプリの利用だけで十分という人は、一番安い「SMSなし」のデータSIMプランがお得だ。「SMSあり」のプランを選択すればLINEやViberなどのSMS認証が必要なアプリを利用することもできる。通話SIMはMNP(モバイルナンバーポータビリティ―)にも対応しているので、通話SIMのプランを選択して完全にキャリアを乗り換えてしまうのも手だ。「楽天モバイル」は、キャリア解約支援のために9,500円のキャッシュバックや、通話SIM/データSIM申込みの場合の月額料金が1カ月無料になるキャンペーンをなども行っている。ビジネスマンのスマホ2台持ちや、タブレットやゲーム機での利用など、格安SIMの利用シーンは広がっている。

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ハイエンドSIMフリースマホが続々と登場

   MVNO各社が展開している、SIMフリー端末とのセットプランも魅力的だ。前出「楽天モバイル」でも取り扱っているASUS社の「ZenFone 5」などは、キャリアのショップで販売されている最新のスマホと遜色のない性能であるうえ、端末購入特典として楽天スーパーポイントが最大3500ポイントつくなど、お得感が高い。

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キャリアの最新スマホと遜色ない性能のSIMフリースマホ

   同社が新たに取り扱いを発表した、「おサイフケータイ」「防水」にも対応したSONYモバイル製「Xperia J1Compact」や、世界初「メインメモリ4GB」の超ハイスペック端末「ZenFone2」など、メインマシンとして利用できるハイエンドSIMフリースマホが増えていて、「SIMフリースマホ=性能の劣る安物」という印象は過去のものとなった。

   こうしたSIMフリースマホは、海外に行った際、現地の通信事業者のSIMをすぐに使うことができるので、海外ローミングに比べて通信費が格安になり、海外に行く機会が多い人に人気が出ている。

   本年4月からは、各社がLTEプランの実質値下げを発表。事業者同士の競争により、ますますユーザーの利便性は高まっていて、今後も格安SIMから目が離せない。

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   <編集企画:J-CASTニュース編集部>

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