ソニーが執念でテレビ事業11年ぶり黒字化 一方でサムスンは赤字。互いの分水嶺となる可能性も

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   業績悪化の長いトンネルを抜けつつあるソニーのテレビ事業の営業損益が、11期ぶりに黒字に転じた。

   一方、ライバルの韓国サムスン電子は、今年1~3月期にテレビや冷蔵庫などの家電部門が約155億円の営業赤字となった。両社にとって分水嶺となる可能性がありそうだ。

  • テレビ事業の今後の動向が注目される
    テレビ事業の今後の動向が注目される

ようやく薄日が差してきた

   ソニーの2015年3月期連結決算は、売上高が前期比5.8%増の8兆2158億円、営業利益は約2.6倍の685億円で、最終損益は1259億円の赤字だった。ただ、最終赤字は国内外で5000人の人員削減に踏み切ったことなどによる、当初から予定した3000億円を超えるリストラ費用が影響したためで、大規模なリストラを終了して臨む2016年3月期は3期ぶりに1400億円の最終黒字に転換する見通し。ITバブル崩壊時の「ソニーショック」以降、リストラを繰り返してきたソニーの先行きにようやく薄日が差してきたようだ。

   ソニーの業績改善を象徴するのがテレビ事業だ。2015年3月期は売上高が前期比10.7%増の8351億円、販売台数は前期比110万台増の1460万台だった。販売台数は中南米や中国で大幅に減ったが、日米欧で大幅増だった。営業損益は83億円の黒字(前期は257億円の赤字)で、黒字は11期ぶり。10年間に計上した赤字は累計で7900億円に達するというから、一事業として途方もない規模だ。

   赤字脱却に向けてこれまでも欧米の生産拠点売却などリストラを続けてきたソニー。過去2年間はさらに構造改革を加速させ、テレビ事業を分社化したほか、基本ソフト(OS)に米グーグルのアンドロイドを採用、システムLSIの設計を台湾企業に外注するなど自社開発・設計をスリム化して固定費を削減。販売するのは先進国で高価格の「4K」を中心とした。

   生産する商品点数も2018年3月期に向けて3割削減し、規模を追わず利益を重視する戦略を打ち出す。これらによって10年の出血期間がようやく止まったのが今のソニーだ。

   吉田憲一郎副社長兼最高財務責任者(CFO)は、4月末に記者会見した際、2016年3月期について「テレビとスマホは売り上げを追わない。少なくとも、いったんはしゃがまざるを得ない」と強調した。

   実際、2016年3月期のテレビの販売計画は前期比310万台減の1150万台に設定している。これは2011年3月期に記録した2240万台からほぼ半減する規模感だ。テレビはスマホとともに中期経営計画でリスクコントロール事業と位置づけており、利益重視の慎重な運営に徹する。吉田CFOは全体として「大がかりなリストラは終了したと思うが、半分は病み上がりのような状況」とも指摘した。

   ただ、ソニーは続行が危ういと見たパソコン事業を投資ファンドに売却したのに対し、テレビは分社化にとどめた。これは重要な違いだ。ゲームや映画、音楽、金融などソニーの屋台骨を支える事業はすべて「分社」状態であり、テレビはこれらと同じにするだけとも言える。創業者が生み出した祖業とも言えるテレビを死守する平井一夫社長の執念を感じる向きもある。

フルラインアップが裏目

   ソニーが再起に踏み出した一方、日本勢を圧倒してきたサムスンがさえない。「スマホ事業が中国勢の成長と米アップルの巻き返しで成長鈍化」ばかりが注目されるが、その陰で今年1~3月期にテレビを含む家電事業が赤字に転落した。

   サムスンは2006年に薄型テレビの世界年間販売首位の座をソニーから奪取して以降、昨年まで9年連続で首位を独走し、昨年のシェアは29%程度とされる。3割近いシェアがありながら利益が出ないとはどういうことか。関係者によると、フルラインアップで新興国から先進国まで売りまくることが裏目に出ているようだ。

   4Kなどの高級機を除けばもはや新興国でも汎用品となりつつある薄型テレビを生産するため、サムスンは世界中に工場を抱えて固定費が重い。さらにドル高・新興国通貨安のもと、ドル建てで新興国に輸入する材料コストの上昇も影響しているという。「今後、中国メーカーの台頭でスマホのようにシェアも奪われる」とも言われている。日本勢がテレビ生産から次々と撤退する中、執念の黒字化を果たしたソニーに比べれば、今一つ将来像が見えないサムスンのテレビ事業。今後の動向が注目される。

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