北斗晶や川島なお美の「がん」は福島を訪れたから 根拠が全くないデマ情報がネットで拡散

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   元女子プロレスラーでタレントの北斗晶さん(48)、女優の川島なお美さん(享年54)ががんに冒された主な理由は「福島第一原発事故後に被災地入りしていたから」「福島県産の食品を食べたから」――芸能人のがん報道が相次ぐ中、こうしたデマともいえる情報がネットで出回っている。

   ツイッターでは、「脱原発」「反原発」といった主張をプロフィール欄に掲げるユーザーたちに支持される一方、「あまりにも無礼」「根拠がない」と反発する声が大半だ。

  • 科学的な根拠は示されていないが…(写真:TEPCO/AP/アフロ)
    科学的な根拠は示されていないが…(写真:TEPCO/AP/アフロ)

「反原発」「脱原発」を主張するツイッターユーザーが拡散

   北斗さんや川島さんのがんは原発事故に起因する、という説はツイッターなどを見る限り、2015年9月20日前後から語られ始めたようだ。ちょうどその頃、北斗さんの闘病や川島さんの死去がマスコミに報じられたためか、まとめサイトに留まらず、9月27日付け日刊ゲンダイ電子版も「北斗晶、川島なお美さん...ネット上でウワサされる『共通点』」といった見出しの記事で取り上げた。

   その「根拠」とされているのが、北斗さんや川島さんが原発事故後、福島県産の食品を食べたり福島に赴いたりしたことだ。北斗さんは原発事故から2か月経った11年5月、当時避難所として使われていた福島県郡山市のコンベンション施設「ビッグパレットふくしま」を夫・佐々木健介さん(49)とともに訪れ、プロレスの試合を開いた。また、川島さんも11年6月に同所を訪れ、地元産のトマトやきゅうりを食べている。いずれも自身のブログで報告されている。

   「脱原発」「反原発」とプロフィール欄に記す一部のツイッターユーザーはこの点を取り上げ、がんと原発事故の因果関係を主張。「善意の人たちが犠牲になっていく」「やっぱりこの影響が出てきているのか」といった感想を付け加えた。

医学的な裏付けやデータは一切示されていない

   ただ、医学的な裏付けやデータは一切示されていない。そもそも北斗さんは乳がん、川島さんは胆管がんと発症した場所は違う。2人が福島県に滞在した期間や福島県産の食品を食べた回数などのデータも取られていない。こうした点を踏まえ、ツイッターでは、

「北斗さんが知ったら悲しむ」
「根拠が限りなく薄い」
「あまりにも無礼ではないでしょうか」
「このようなやり方は許されるべきでない」

といった批判が寄せられている。原発事故以来、福島で暮らしている人は皆がんを発症しているのか、といった指摘も見られた。

   ちなみにメディアも、甲状腺がん以外のがんと原発事故の因果関係についてはほとんど報じていない。その甲状腺がんについても、国際原子力機関(IAEA)が15年8月31日、原発事故の影響から子どもの患者が増加することはなさそうだとする報告書を公表している。

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