西室泰三・日本郵政社長退任に見え隠れする「東芝問題」 「株式会社」後も政治に翻弄され続ける人事

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   日本郵政は入院中の西室泰三社長(80)が退任し、後任に、子会社のゆうちょ銀行の長門正貢社長(67)が昇格することになった。2016年4月1日付。15年秋に株式上場してから5か月でのトップ交代という異例の事態だ。

   外部の民間人を迎え入れる案も検討したが、適任者が見つからず、郵政グループでの経営経験がある長門氏起用に落ち着いた経緯があり、「苦肉の人事」との評価が目立つ。

  • 「天下り」批判回避の人事か
    「天下り」批判回避の人事か

「天下り」人事排除で消えた官僚OB候補

   ゆうちょ銀社長には、東日本大震災事業者再生支援機構の池田憲人社長(68)が就く。まず4月1日付でゆうちょ銀の代表執行役社長になり、6月の株主総会で取締役にも就任する。西室氏は当面、取締役にとどまるが、6月の株主総会で退く見通しだ。

   西室社長が2月上旬に検査入院し、退院のめどが立たず、復帰が難しくなったことから、急きょ長門氏の起用になったのだが、すんなりといったわけではない。

   郵政の社長といえば、極めて政治色が濃い。小泉改革、民主党政権、そして自民党の政権復帰という政界の荒波に、人事も翻弄されてきた。郵政公社から株式会社に姿を変えた日本郵政の初代社長には、元三井住友銀行頭取の西川善文氏が就いたが、2009年に民主党が政権を奪取して状況は一変。

   郵政民営化に反対して自民党を離れた国民新党の亀井静香郵政担当相(当時)が、大蔵省(現財務省)事務次官を務めた斎藤次郎氏を社長に起用、自民党政権復帰直前の2013年12月、斎藤氏は大蔵省の後輩の坂篤郎氏を副社長から後任社長に昇格させた。ところが、官房長官に内定していた菅義偉幹事長代行(当時)が「財務省出身者によるたらい回し人事だ」と批判するなど自民党は激怒し、結局、坂氏は翌2013年6月に半年で退任させられ、当時郵政民営化委員長だった西室氏が社長に就いた経緯がある。この時も、三菱東京UFJ銀行の畔柳信雄・元会長、野村證券の古賀信行会長といった金融界の重鎮に固辞され、西室氏にお鉢が回ったといわれる。

   今回は「政争」ということではないものの、「政治的な人事であることに変わりはなく、特に、『天下り批判』を受けないことが、政界では最も重視された」(全国紙政治部デスク)という。このため、西室氏入院以降、社長代行を務めている鈴木康雄副社長について、総務省の事務次官を務めた経歴から、政府内で経営手腕を評価する声はあるものの、社長候補と見る向きはなかった。また、郵便事業の日本郵便社長の高橋亨氏(旧郵政省出身)も、同様に候補から外れた。

「2017年6月まで務める」と語っていたとされる西室氏

   実は、今回の人事に至る過程では、西室氏を巡って、2015年春から火が付いた東芝の不適切会計問題で歴代3社長が責任を取って東芝を去るに及んで、東芝トップを経験した西室氏の責任を問う声が政界にもくすぶり、一部ネットメディアなどでは、早期退陣の観測気球的な記事も出ていた。

   一方、2015年11月に日本郵政本体とゆうちょ銀、かんぽ生命の3社同時上場を果たした西室氏の功績を評価する声もあり、西室氏自身、この2月の入院直前まで、「2017年6月まで務める」と周辺に語っていたとされる。

   後任人事について、官邸が民間人の起用を軸に昨年から候補者選びを進めていたとされるが、西室氏の体調から時期が早まり、民間人の人選が進まぬままに、時間切れになり、内部昇格の線が濃厚になった。そして、天下り批判への配慮から、消去法的に長門氏に収れんした、というのが今回の人事だったようだ。

   長門氏は日本興業銀行(現みずほ銀行)出身。合併後のみずほ銀行で常務執行役員を務めた後、富士重工業副社長、シティバンク銀行会長を歴任した。国際派として知られる。3月16日の長門次期社長発表の際、鈴木副社長は長門氏について、日本郵政グループの収益の源泉となっている金融事業に精通していることや、オーストラリアの物流大手「トール」買収などで国際展開が進んでいることから、海外ビジネスにも詳しいなどの経歴を評価したと説明した。

   ただ、日本郵政は、傘下のゆうちょ銀、かんぽ生命の民営化を早期に実現して事業の自由度を高めたいで、これら稼ぎ頭の金融事業が自立すれば、郵便事業だけが中核に残って収益体質が弱まるという矛盾を抱える。金融事業自体も、日銀が導入したマイナス金利の影響もあって先行きは厳しい。

   そもそも、日本郵政のトップは、政治との関係、全国郵便局長会や労働組合などとの調整なども重要になるだけに、長門体制は、難しいかじ取りを求められることになる。

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