ケリー米長官に「原爆投下への謝罪」求めるべき? 日本政府の「求めず」方針に改めて賛否

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   広島市で行われていた主要7か国(G7)外相会合は2016年4月11日、核廃絶への決意を示した「広島宣言」を採択して閉幕した。特筆すべきは米国のジョン・ケリー国務長官らG7外相が平和記念公園の原爆死没者慰霊碑に献花し、原爆資料館を訪問したことだ。

   ケリー氏は展示の内容を「衝撃的」だと表現したが、同時に「個人的」という言葉も繰り返した。原爆投下が第2次世界大戦終結を結果的に早めたという議論が根強い米世論を刺激しないための配慮だ。国務省の高官が行った説明会では、記者から「なぜ謝罪しないのか」といった声も出たが、「謝罪を求めようという動きがない」と一蹴。日米の感情レベルでの温度差が改めて浮き彫りになった。

  • ケリー国務長官(右から4番目)は現職の国務長官として初めて広島を訪問した(米国務省撮影)
    ケリー国務長官(右から4番目)は現職の国務長官として初めて広島を訪問した(米国務省撮影)

「撮られる」ことを警戒し、原爆資料館見学の様子は非公開

   ケリー氏は原爆資料館訪問後に広島市内で開いた会見で、

「美しい広島市を国務長官として初めて訪れ、深く心が動かされ、光栄に思っていることを個人レベルで表明したい」

と述べ、原爆資料館の展示を

「衝撃的」「胸をえぐられるよう」「個人的には決して忘れないであろう展示」

と表現した。

   ただ、今回の訪問はオバマ大統領の広島訪問に向けた「地ならし」だと考える向きもあり、ケリー氏の行動が謝罪に結びついていると受け止められれば、米世論が硬化してオバマ大統領の被爆地訪問も遠のいてしまう。

   こういった点に配慮したのか、ケリー氏は

「しかし、ここに来た理由は過去に固執するためではない。博物館を見学して得られた経験から、過去の教訓を未来や現在に生かすことがいかに重要かを示すためだ。」

とも発言。ケリー氏が展示内容に衝撃を受ける様子を「撮られる」ことへの警戒感からか、ゲストブックに署名する写真が公開された以外は、見学の様子は公開されなかった。

「説明会」全文は国務省ウェブサイトで公開

   こういった傾向は、「国務省高官」がケリー氏の原爆資料館訪問に先立って行った説明会で、より鮮明に示された。説明会は「国務省高官」の名前を出さない条件で行われたが、全文が国務省のウェブサイトに公開されている。それによると、記者が

「彼(ケリー氏)が、70年前の出来事についてある種の遺憾の意や悲しみを表明することはあり得るのか」

と質問したのに対して、高官は

「国務長官が謝罪のために広島を訪れたのか、というお尋ねであれば、答えはノーだ。長官、そしてすべての米国人と日本人が、これほど多くの我々の国民に襲いかかった悲劇に悲しみを覚えるか、というお尋ねであれば、答えはイエスだ」

と、謝罪を明確に否定。

「世界に対して核兵器を使うなと言うのであれば、なぜ謝罪しないのか」

と詰め寄った記者もいたようだ。高官は、米国は核兵器を実際に使ったことがある唯一の国として、世界的な軍縮と核拡散の防止に「特別な責任」があるとしながらも、

「人々の側、具体的には広島の行政当局(the government of Hiroshima)や日本政府からは米国に謝罪を求めようという動きもないし、原爆の使用で起きた一連の出来事について改めて責任を問おうと関心を持つ向きもない」

と述べ、日本の行政側に謝罪を求める動きがない以上、米国側も謝罪を検討する必要はないとの見方を示した。

政府は抗議しない方針を2007年に閣議決定

   2度にわたる原爆投下をめぐっては、政府は長崎に原爆が投下された翌日の1945年8月10日、中立国のスイスを通じて、原爆投下が「人類文化に対する新たな罪状」だとして抗議している。たが、終戦後は抗議しておらず、政府は2007年7月に

「戦後60年以上を経た現時点において米国に抗議するよりも、核兵器のない平和で安全な世界の実現を目指して、現実的かつ着実な核軍縮努力を積み重ねていくことが重要である」

との質問趣意書に対する答弁書を閣議決定。米国に抗議や謝罪を求めない方針を明らかにしている。

   菅義偉官房長官も4月12日午前の会見で、米国に謝罪を求めるかどうかについて

「こうしたことは米国側が決めることだと日本は思っている」

と述べた。

   国務省高官の発言はAFP通信などが報じている。これを受け、ツイッター上には

「アメリカはひざまずいて謝罪すべきだ」
「欧米に謝る文化がないことを考えると、哀悼の意くらいで十分だと思ってる」
「謝罪を要求したら日韓関係みたいにこじれるので、訪問して広島を見てもらうだけで十分でしょう」

といった様々な意見が出ている。

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