2024年 3月 29日 (金)

マイナス金利めぐって言いたい放題 「日銀VSメガバンク」不協和音が激化している

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   政府が、2016年6月末に任期が切れる日銀の石田浩二審議委員の後任に新生銀行執行役員の政井貴子氏を充てる人事案を4月19日、国会に提示した。退任する石田氏は三井住友銀行出身で、1998年の新日銀法施行後で、メガバンク出身者が政策委員会から姿を消すのは初めて。

   2月に日銀が導入したマイナス金利政策に対し、メガバンクからの批判が公然化しており、今回の審議委員交替で、日銀とメガバンクの不協和音はさらに高まる気配だ。

  • 日銀のマイナス金利政策に対するメガバンクの批判はますます高まっている。
    日銀のマイナス金利政策に対するメガバンクの批判はますます高まっている。
  • 日銀のマイナス金利政策に対するメガバンクの批判はますます高まっている。

メガバンク「銀行業界にとっては明らかにネガティブ」

   マイナス金利政策に対しメガバンクから異論が飛び出したのが4月14日。三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行社長は、東京都内での講演の中で、マイナス金利政策が「銀行業界にとっては短期的には明らかにネガティブだ」と言い放った。メガバンク首脳が金融政策に疑義を唱えるのは異例だ。

   平野社長は、マイナス金利政策が「残念ながら懸念を増大させる方向に働いてしまっており、企業や個人の投資を促すかどうかは分からない」と述べ、貸し出し増加の効果は限定的だと指摘。そのうえで、銀行経営への影響について「マイナス金利を顧客に転嫁できないだろうから、利ざやはさらに縮小し、(銀行の)基礎体力の低下をもたらす」と懸念を率直に語った。

   マイナス金利政策とは、どういう政策なのか。銀行など金融機関が日銀に預けているお金の一部を「マイナス金利」とする、すなわち「手数料」を取るものだ。銀行は、余ったお金を日銀に預けておけば0.1%の金利がもらえた。日銀が国債を市中で銀行などから過去にない額を購入するという形で、大量の資金を供給するのが「異次元緩和」で、銀行などがこの資金を企業や個人向けの貸し出しに回すことで経済活動を活発にするというのが直接の狙いだ。しかし、現実には、銀行は日銀の口座にお金を積み上げるだけで、企業や個人に十分に回っていなかったため、銀行が日銀に預けるお金の一部に手数料を課すことで、日銀に預けたままにしないで、貸し出しや運用を増やさせようとしているのだ。

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