新幹線乗客数はついに「ピーク」を迎えたのか JR3社「営業減益」見通しが意味するもの

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   本州のJR上場3社の2016年3月期連結決算は、いずれも売上高、営業利益、純利益が過去最高を更新した。新幹線を利用するビジネス需要が堅調だったほか、訪日外国人旅行客の増加も業績を押し上げた。

   ただ、2017年3月期に目を転じると、3社とも営業減益を見込む。2015年3月に開業した北陸新幹線効果の反動のほか、足元の円高傾向で訪日外国人の伸びが鈍化する可能性や、国内景気の先行き不透明感で経営の柱である新幹線の成長が減速しそうと見ているためだ。

  • 北陸新幹線効果に「反動」が(2015年2月撮影)
    北陸新幹線効果に「反動」が(2015年2月撮影)

過去最高決算を更新した2016年3月期

   JR東日本の売上高は新幹線事業を中心に運輸収入が伸びて前期比4.0%増の2兆8671億円。営業利益は14.1%増の4878億円、純利益は36.0%増と大幅に伸びて2453億円だった。北陸新幹線の延伸開業による増収効果は約455億円に上った。

   JR東海の売上高は4.0%増の1兆7384億円、営業利益は14.2%増の5786億円、純利益は27.8%増の3374億円だった。運輸収入の9割超を占める東海道新幹線のビジネス利用が好調だったほか、訪日外国人の増加の影響もあって観光目的の新幹線利用が上向いた。

   JR西日本の売上高は7.5%増の1兆4513億円、営業利益は29.9%増の1815億円、純利益は28.7%増の858億円だった。北陸新幹線の増収効果は約271億円だった。北陸新幹線や全線開業40周年を迎えた山陽新幹線で、シニア層や訪日外国人観光客を中心とした利用が増加したほか、新大阪駅など主要駅の新商業施設が順次開業した効果で流通・不動産事業も好調だった。

訪日外国人やビジネス客に不透明感

   それでは2017年3月期はどうか。3社のうち営業利益が前期比7.7%減の4500億円と最も大きい落ち込みを見込むJR東日本は北陸新幹線の開業効果の反動が大きい。新たに北海道新幹線は今年3月に開業したものの、東京から函館までの運行時間が「4時間の壁」を切れず、飛行機から乗客を思うように奪えないため、北海道新幹線が東北新幹線に乗客増に与える効果は限定的と見る。

   JR東海も2017年3月期の営業利益は0.3%減の5770億円と小幅ながら減益を見込む。実際に営業減益となれば、7年ぶり。東海道新幹線の改修などの修繕費用がかさむことなどが響く。過去最高を更新してきた売上高も0.1%減の1兆7360億円とわずかながら減収を予想する。JR東海の場合、主力の東海道新幹線の動向とは別に子会社の日本車輌製造の経営悪化も響く。日本車輌はその名の通り、新幹線などの車両を生産する会社だが、米国事業で納入遅れなどのトラブルが拡大し、2016年3月期に純損益が161億円の赤字。2017年3月期も30億円の赤字を見込んでおり、業績でJR東海の足を引っ張るだけでなく、悲願の米国への新幹線輸出にも暗雲を漂わせている。

   JR西日本の2017年3月期の営業利益予想は3.3%減の1755億円。北陸新幹線開業効果が一巡するほか、円高などで訪日外国人の伸び鈍化を見込んでいることも影響する。JR西によると、2016年3月期の北陸新幹線の乗客数は、前年度の在来線利用と比べ2.7倍になった。開業1年余りで利用者は1000万人を突破し、好調だ。新規開業区間の距離にして4分の3はJR西のエリアだけに、業績に与える開業効果は大きい。しかし2年目にさらに飛躍するかどうかは微妙とみられている。

   日銀短観の大企業製造業の景況感が、2年9カ月ぶりの低水準になるなど、日本経済に停滞感が出ている。こうしたなかでは、新幹線の主要顧客であるビジネスマンの移動が前年度より活発になるとは考えにくい。新幹線需要は「踊り場」か「ピーク」か、2017年3月期はそれを占う年になるかもしれない。

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