2024年 5月 8日 (水)

ダンスで東北の子供たちを笑顔に。野田村キッズヒップホップダンスチーム「OHANA☆KIDS」が野田祭りにて最終ステージ

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楽曲『みんながみんな英雄』に合わせて、子供たちが元気いっぱいにヒップホップダンスを踊る。ダンスは、左手を腰に当て右手を高く上げる英雄のポーズで終わった。Tシャツには、子供たちが大好きな野田村のイメージキャラクター「のんちゃん」が同じ英雄のポーズで描かれている。

2016年8月に開催された野田村最大の祭典・野田祭りが、このダンスチーム「OHANA☆KIDS」(オハナ・キッズ)の最終ステージだった。「OHANA☆KIDS」は、一般財団法人日本アムウェイOne by One財団が岩手県野田村の復興応援隊と共同で結成したダンスチームだ。メンバーは野田村の子供たちから成り、野田村ヒップホップダンススクール『ねま~るdeオド~ル』にて誕生した。

 

■コミュニティを再生し、笑顔で街を更生する
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岩手県・野田村は太平洋に面しており、震災の人的被害・家屋被害を大きく受けた地域である。発生したがれきの量は16万7,336トン。野田村内で処理すると約100年かかる量だったが、県内外の人々の協力を受け約3年で処理が完了した。

しかし、がれきが無くなり建物が復旧しても、人の心には未だ大きな爪痕が残っている。そうした人々の絆をつなぐ心の拠りどころとなるように、2012年に「Remember HOPE(希望を忘れない)東北復興支援プロジェクト」が誕生し、翌2013年には一般財団法人 日本アムウェイOne by One財団が設立された。

「Remember HOPE 東北復興支援プロジェクト」は、被災地におけるコミュニティの再生を援助するため、人々が笑顔で過ごせる時間や場所を提供するという目的を持つ。プロジェクトの中心にあるコミュニティ交流施設・アムウェイハウスも、コミュニティを再生し、笑顔で街を更生させるための場所だ。支援金やイベントの収益をベースに運営し、現在4棟のアムウェイハウスが被災者たちをつなぐ「場」として存在している。

 

■ダンスで東北の子供たちを元気に
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野田村ヒップホップダンススクール『ねま~るdeオド~ル』は、2015年12月に完成した「野田村アムウェイハウス」にて、2016年6月から全8回にわたり開催してきた。

アムウェイハウスではダンス以外にも料理教室や英会話教室の開催などを行っており、各イベントで人の縁がつながっていった。今回のダンス講師であるHANA先生も、支援者からの紹介でつながった。アムウェイハウスでの活動を知ったHANA先生は「ダンスで東北の子どもたちを元気にしたい、東北復興に寄与したい。このプロジェクトに是非参加したい」という強い思いを持つようになった。そこから、復興応援隊の人々と一緒にダンススクール『ねま~るdeオド~ル』の企画を作り上げていった。

HANA先生は、ダンススクールの教え子をヒップホップの世界大会に送り出すほどの腕前を持つ。そんなHANA先生の指導を受けて、野田村の子供たちにも一流のヒップホップダンスに触れ新しい体験をしてほしい、という願いのもとにダンススクール『ねま~るdeオド~ル』は始動した。

 

■子供たちの成長と変化
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ダンスチームは小学生までの子供たち12名で構成される。最初はHANA先生が満面の笑顔で接しても子供たちは緊張の面持ちを崩さず、動きもぎこちなかった。しかし、「雨の日もある 風の日もある」という歌詞の部分でHANA先生は「野田村の雨はどんな感じ?風は強いの?」と子供たちに問いかけ、あふれんばかりの笑顔で会話を続けていると、子供たちの表情がゆるみ、体が少しずつ動き出した。そして、最後には「HANA先生!次はいつ来るの?」という言葉が飛び出し、HANA先生を笑顔にした。

ダンスの使用楽曲『みんながみんな英雄』は、ダンスを通して明るく元気になってほしいという思いでHANA先生自身が選曲し、子どもたちと一緒に振り付けを考えた。覚えやすい歌詞と元気になるフレーズで、裸足でもサンダルでもヒールでも踊れるシンプルなダンスだ。

 

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ダンススクールを通して、自然とチームワークも育まれた。あんなに恥ずかしがっていた子供たちが、野田祭りでの最終ステージでは自信に満ちあふれた笑顔を浮かべており、HANA先生は「最初は前も後ろも、右も左も動けなかったみんなが、何回も練習をして、本当に同じ子供たちだろうかと思うくらい成長しました」と述べた。

踊りの途中にはSTOMP&CLAP(足を踏み鳴らしたり手を鳴らすこと)が組み込まれており、観客も手拍子をしてダンスに参加することで、会場全体がひとつになった。子供たちの力強い笑顔は、それだけ観る者の心を打つものだった。

 

■ダンスを通じて届けたメッセージ
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ダンススクールのチーム名「OHANA☆KIDS」は、野田村で身近に感じることができる綺麗な花や星、そしてHANA先生への感謝の気持ちから、チームで話し合って決めた名前だ。
また、「Ohana(オハナ)」はハワイ語で家族を意味し、血縁だけでなく精神的に心を共にして分かち合いを大切にする「心の絆」をイメージした言葉でもある。

最後にHANA先生は、野田村の子供たちへメッセージを伝えた。
「みんなの友達や家族、この街が色々な形で地震の被害にあい、まだまだ整備できていない道路などありますが、みんながずっとダンスを続け、笑顔で頑張れば、その分必ず幸せになります。だから、ぜひこれからもダンスを続けてください」「夢は必ず叶います。やった分だけ、必ず自分の力になります」
HANA先生の言葉は、これからも子供たちの心に咲き続けるだろう。

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