WBCイスラエルが韓国、台湾に連勝 誰も予想しなかった強さのワケ

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   ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)初出場のイスラエルが韓国と台湾に連勝する快進撃を見せた。日本や米国のメディアがそろって「大波乱」と報じ、敗れた韓国のメディアは「投打の無気力」など自国代表選手を批判的に伝えた。

   しかし本当に「波乱」なのか。イスラエル代表は米メジャーリーガーを複数人抱え、マイナーリーグ最上位のAAA(3A)で活躍する選手も多く、日本では「第2の米国代表」と呼ぶ向きさえある。

  • WBCの1次ラウンド、韓国対イスラエル戦が行われた高尺(コチョク)スカイドーム(Wikimedia Commonsより)
    WBCの1次ラウンド、韓国対イスラエル戦が行われた高尺(コチョク)スカイドーム(Wikimedia Commonsより)

世界ランキング韓国3位、台湾4位、イスラエル41位

   2017年の第4回WBCは3月6日に開幕し、イスラエルは韓国との1次ラウンド初戦を延長10回の末に2-1で勝利した。韓国は06年大会でベスト4、09年大会は準優勝、17年3月現在の世界ランキングは日本、米国に次ぐ3位の強豪国だが、同41位のイスラエルに敗北した。元ロッテの3番・金泰均(キム・テギュン)、元ソフトバンクの4番・李大浩(イ・デホ)の主軸2人は無安打に終わっている。

   6日付の米メディア「スポーツ・イラストレイテッド」は「イスラエルが韓国を下し、2017年のWBCは衝撃的な波乱で幕開けした」と報じた。

   日本でもツイッターユーザーが驚きの声をあげている。

「あの韓国野球がイスラエルに負けるってどうゆうこと?」
「韓国はさすがにイスラエルに負けるのはマズいよね」
「ホームでイスラエルに負けるとは・・」

   韓国メディアは厳しい言葉を投げかけている。7日付「朝鮮日報(日本語版)」は「勝利を望んでいたファンらは4時間半(編注:試合時間)もの間、『これが第1回大会でベスト4、第2回大会で準優勝した韓国代表チームなのか』という疑問を抱きながらグラウンドを見守らなければならなかった」と皮肉を持って報じ、「投打の無気力が予想外の結果をもたらした」と続けた。「完ぺきだと自負していた打線もイスラエルの投手6人に対して散発の7安打にとどまった。10三振と2併殺打で自滅した」と自国の選手を責めている。

   だが、この結果は「波乱」や「自滅」ではないかもしれない。イスラエルは3月7日に行われた第2戦、世界ランキング4位の台湾相手に20安打を放ち、15-7で勝利した。台湾先発の西武・郭俊麟(カク・シュンリン)から初回に4点を取って1イニング持たせずマウンドから引きずり下ろすと、2番手のロッテ・陳冠宇(チェン・グァンユウ)からも3回2/3の間に2点。7回には打者一巡の猛攻でさらに5点を奪うなど圧倒した。台湾は6回に3点、9回にも4点を奪ったが大量失点を覆せなかった。

韓国戦先発はメジャー124勝のジェイソン・マーキー

   衝撃のイスラエル連勝スタートに日本のツイッターでは、

「台湾代表どうなってんの!? 日本プロ野球のピッチャー2人使って6失点って!」
「イスラエル本物っぽいな」
「WBCイスラエルは、台湾も倒すのか・・!とんだダークホースじゃな」
「イスラエルこんなに強いともう優勝候補だな」
「昨日韓国に勝って金星と言った事をお詫びして訂正」

と偶然ではなく「本物」と感じるユーザーが続出している。

   イスラエル代表はかなりの実力者ぞろいだ。韓国戦を3回2被安打0失点で抑えた先発のジェイソン・マーキーは、昨季まで大リーグのシンシナティ・レッズで活躍しており、米通算124勝をあげている。2番手のソーントンも3Aのラスベガス・フィフティワンズに所属。野手でも元オークランド・アスレチックスのサム・フルド外野手、元ニューヨーク・ヤンキースのアイク・デービス内野手など、本場米国でのプレー経験がある選手が数多い。台湾戦4番手投手のアクセルロッドも3Aのニューオーリンズ・ベビーケークスに所属している。

   こうした登録選手の実態から野球ライターの菊地慶剛さんは韓国戦後の7日付「Yahoo!ニュース個人」に、イスラエルの勝利は「番狂わせなんかじゃない」とする記事を寄せ、「まさに第2の米国代表チームといっても言っていいくらい」としている。

   また、上であげた4人はいずれも米国籍だが、WBCには厳格な国籍規程がない。両親のいずれかが当該国籍を持つか当該国で出生していても、その国の代表選手として登録できる。イスラエルは登録選手28人中27人が米国出身者だ。投打に米メジャー経験者をそろえたイスラエル、今大会の台風の目となるかもしれない。

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