2024年 3月 29日 (金)

「エビ養殖」詐欺で600億円「知識なさすぎる」

   「投資額が1年で倍になる」――甘言に乗せて6年間に4万人から600億円を集めてドロン。警視庁は昨日7月31日、東京・上野の投資会社「ワールドオーシャンファーム」と関係先を詐欺の疑いで家宅捜索した。

芸能人にも責任がある

   今回のネタは、エビの養殖だった。曰く、フィリピンにある東京ドーム450個分の養殖場への投資。1匹2円のブラックタイガーが120-130円になるから、ひと財産10億としてふた財産は軽いと。

   「1年で倍に」とは、いわば決まり文句。だれもが胡散臭いと思うはずなのに、この手の詐欺はあとを絶たない。そこが詐欺師の腕、といえばそれまでだが、その手口とは――

   番組は被害にあった50代のAさんの例を追った。

   20年来の友人から紹介され、初め40万円を投資した。すると10日毎に22,224円が振り込まれてきて、計36回80万64円が戻ってきた。そこでAさんは200万円を追加、さらに妻と友人にも40万円を投資させた。紹介すると紹介料も支払われ、49万円が--―。

   Aさんは結局、昨年末までに2000万円余りを投資し、紹介者のランクでも上位のウルトラ代理店になっていた。都内のホテルで開かれた新年会には、大物歌手が登場したり、1万円札で作ったレイがかけられたり、と大変な盛り上がりだった。が、良かったのはそこまで。

   直後から支払いがストップし、5月には弁護士から手紙で、「台風で養殖場が壊れた。破産手続き中」といってきた。同社代表の黒岩勇会長は所在不明。ここではじめて詐欺だと気がついた。番組が取材したフィリピンの現地は、「ため池程度のもの」で。年間180万円の水揚げだった。

   実は黒岩という人物、5年前にも健康食品で同様のトラブルを起こしていた。時期からいって、エビ養殖と同時進行だったことになる。前の事件で、警察はどうしていたのかが気になる。

   にしても、なぜみんな信じてしまったのか。「大切な人を紹介してください」という呼びかけが、ミソだった。「このダメージが大きい」とAさんはいう。

   「初め少額でも、ちゃんと返ってくるので、だんだん増やしていった?」と加藤浩次が首を傾げる。

   テリー伊藤は「知識がなさ過ぎますよ。100%なんて、いま金利は5%でしょ、高くても。そんな夢のようなことがあるわけがない」と。また「芸能人にも責任があります。ギャラが出るからといって、こんなものに出席しちゃだめ」

   友だちつながり、豪華パーティー、「1年で倍」――詐欺師は何度でも繰り返す。人間に欲がある限り、終わらないドラマ。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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