365日映画コラム

「ラッシュアワー3」53歳ジャッキー・チェン、アクションは息切れ?

2007/8/30 18:00

   「ラッシュアワー」は、本来は文字通りLAのラッシュアワーで誘拐された少女を救う二人の警官の話だった。ジャッキー・チェン扮する香港警察のリー刑事とクリス・タッカー演じる黒人警官カーターのコンビ。ジャッキーもクリスもこの98年の第一作で人気を不動のものにした。その3作目のフランチャイズ・ムービーだ。

TM and (c) MMVII New Line Productions, Inc. All Rights Reserved.
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   02年の2作目が興業的にも絶頂期で、二人は香港マフィアを一網打尽にした。チャン・ツィイーとジャッキーとの船上の対決は凄い迫力だった。

   あれから5年。クリスのマシンガン・トークは34歳で更に磨きがかかるが、53歳のジャッキーにとって、昔どおりのアクションはやはり息切れするようだ。おまけに目先を変えて舞台をパリにしたことで、インパクトが落ちている。パリの夜景は素晴らしいものの、エッフェル塔の細い鉄鋼材での決闘は背景以外目新しくもなく、もうデジャビュの世界だ。

   クリスの駄洒落交じりの機関銃の喋りは聞いていると面白いが、字幕を読むとつまらない。日本人観客へのサービスは、中国マフィア、トライアッド(三合会)の若頭が真田広之で、殺し屋の女が工藤夕貴だということくらいしかない。香港の孤児院でリーは真田扮するケンジと兄弟のようにして育った。追い詰めたケンジを殺すことが出来ないリーの心の内が泣かせどころだが、とってつけた説明にまるで感情移入が出来ない。

   78歳の名優マックス・フォン・シドウが善人面して腹に一物を秘めていたり、名監督ロマン・ポランスキーがパリの警視で、二人の外国捜査官の入国審査にアナルまで検査して悩ましたり(ポランスキーは実生活で少女レイプの訴追を受けておりアメリカ入国が出来ないのでそのギャグのようだ)、「ミュンヘン」のイヴァン・アタルがタクシー・ドライバーで二人の捜査に協力したり、キャスト陣は華やかだ。

   でも真田のアクションはいいとして、工藤夕貴の忍者なんて考えられる? 頭巾を被るとほっぺの張りが目だってちっとも強く見えない。エッフェル塔でのバトルよりもムーランルージュのセクシーなショーやフランスお家芸のカーアクションの方が魅せる。特にカーチェイスはCGを使わない本物のアクションだ。

   監督はシリーズ3作ともブレット・ラトナーだが、今回が一番冴えない。ブライアン・シンガー監督の代役で演出した「X-MEN:ファイナル ディシジョン」が忙しすぎてこちらの準備が万全で無かったのだろうか?

恵介
オススメ度: ★★★☆☆
ラッシュアワー3(RUSH HOUR 3)
2007年アメリカ映画、東宝東和配給
監督:ブレット・ラトナー
出演:ジャッキー・チェン / クリス・タッカー / 真田広之
公式サイト:http://www.rh3.jp/

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