2024年 4月 18日 (木)

地上アナログ波「跡地」分捕り合戦 狙ってる会社はココだ

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エレキ君

総務省の「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」が放送と通信で縦割りになっている関連法を一本化する最終報告をまとめた。関係者の反応はどうなの。

エレキ君

先日、テレビ君と一緒に聞きに行った月刊「ニューメディア」発行人の天野昭氏の講演で、デジタル完全移行に伴う地上波放送(アナログ)の跡地の話は面白かった。聞いていない2人のために、ここで紹介しよう。

テレビ君

最初に2009年2月からの地上波のデジタル化に伴う米国の「電波オークション」について語った。08年1月24日にオークションがあるが、既に一部帯域をAT&TとMediaFLOが押さえている。MediaFLOは携帯電話のクアルコムが行う放送事業で、日本のソフトバンクやKDDIが投資している。

エレキ君

天野氏は「ソフトバンクやKDDIは、いずれ放送事業を興す」と予測。また、オークションには、日本でゼンリンと組んで地図の携帯電話向けサービスを行う米グーグルやブライトンなども参加する。放送事業者を除く企業が参加して入札の総額は100億ドルになるそうだ。

テレビ君

天野氏は「電波は国民の財産。日本の地上波の免許は半永久的に取り上げられないが、オークションでは25年とか期限を設けている。」と語っているように完全なオークション派。日本の地上波アナログの跡地問題でもオークションを採用すべきだと主張している。

エレキ君

日本の地上波アナログの跡地で「テレビ以外の放送」に使われる帯域に参入するのは「米MediaFLOみたいな通信のような放送で、NHKや民放各局も欲しいといっているが、そうはならない」と述べた。

テレビ君

「テレビ以外の放送」に具体的に参入するグループとして「新聞業界の勝ち組といわれるANY(朝日、日経、読売)はネット事業や新聞販売の提携だけでなく、この跡地も狙っている。フジサンケイグループも虎視眈々。毎日新聞はBSデジタル放送へ参入してサヨナラしてしまった」と語った。

エレキ君

参入業者を帯域別に挙げていた。「自営通信」への参入はタクシーやセコムなど、「ITS」は交通関係で、グーグル・ゼンリンも入る。「電気通信」はNTTやKDDIグループが入るだろう。クアルコムなどに急っつかれ2011年7月24日の完全移行に先立って東京や大阪などから跡地が埋まっていく。2011年を前に携帯電話用のアンテナを使って通信のような放送が始まるかもしれないと予見していた。

テレビ君

「通信のような放送」がどういうものか、わからないが、ANYやクアルコムが、跡地を使って何をやろうとしているのかも注目だ。また、天野氏の「日本のBSやCSを日本だけに流すのでなく、アルジャジーラのような国際放送としてのびのびと使えるようにしたらどうか」という意見も見逃せない。

エレキ君

天野氏はNHKの役割にも触れていた。「東アジア問題や資源外交といった視点からもNHKの力を使うべき。NHK技研は世界大恐慌のあと発足して日本の放送を牽引した。NHKをデジタルに押し込め、チャンネルを削れと縮小を脅しのように言うのはよくない」。いつの間にかNHK寄りになったようだ。

テレビ君

放送だけではなく、BGAN(Broadband Global Area Network)のPOR(太平洋向け)衛星の打ち上げが08年春と決定。既に利用されている大西洋、インド洋向け衛星と合わせて地球を360度カバーできることになったという話も興味深かった。ロシア、東北アジア、北朝鮮をカバーできるので平壌に支局がある共同通信などは使う価値があるといっていた。

アドバ君

ところで、跡地に参入するそれぞれの企業の具体的なコンテンツについては、何か話があったの?

エレキ君

「テレビ以外の放送」のコンテンツについて「モバイル向けのショートコンテンツがいい」と述べたぐらいで、具体的なコンテンツの話はなかった。

プレス君

この国の新しいメディアの勃興期はハードありき、で始まり、ソフトは後回しになるのが常。BS、CS放送、データ放送、モバイル放送…の時もそうだった。日経新聞や評論家のアジテーションに乗せられるのは危ない、危ない。いつか来た道は御免だ。

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