2024年 4月 25日 (木)

どうしてここから硫化水素が? 「知られざる危険」と対応策

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   安い、加工しやすい、耐火性、防音性に優れていることから住宅の天井や壁に広く使われている石こうボード。従来、安全と思われていた石こうボードに実は危険が潜み、誤った処理で有毒ガスが発生、死者もでている。番組はこの「知られざる危険」を取り上げた。

石こうボード廃棄の規制強化

   松江市のホテル『東横イン松江駅前』で今年5月、地下配管室で発生した硫化水素が漏れ、8人が病院で手当てを受ける騒ぎがあった。

   警察で調べた結果、地下配管室に経費節減のために不法投棄された石こうボードが雨水などと化学反応を起こし、有毒ガスの硫化水素が発生したことが分かった。配管室からは致死濃度の3倍近い2000PPMの硫化水素が検出された。

   2000年には福岡県筑紫野市の産廃処理上で事業所作業員3人が硫化水素中毒で死亡する事故も起きている。

   従来、化学反応が起こらない、安全な廃棄物と思われていた石こうボードに、なぜ硫化水素が発生するのか?

   福岡の死亡事故をきっかけに、遅ればせながら国が発生メカニズムの研究を行った結果、(1)水分が多い(2)無酸素状態(3)有機物がある(4)摂氏30度前後の保温が保たれている(5)硫黄分がある、という条件があれば硫化水素が発生することが分かった。

   しかも、化学反応を起こさないとみられていた石こうボード自体に有機物の澱粉が含まれており、硫化水素の発生要因になっていた。

   これによって国は2年前の06年、石こうボードの廃棄について規制を強化した。

   それまで金属やガラス処理する処分場へ持ち込まれていた石こうボードを、常に空気が入り、水がたまらない施設のある管理型処分場への廃棄するよう義務付けたのである。

   ところが、この規制強化によって、石こうボードの不法投棄が絶えないという新たな問題が発生した。

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