2024年 4月 24日 (水)

阿部寛とり巻く達者な役者たちと下町情緒が楽しみ

<新参者(TBS系日曜日)>東京の練馬署から日本橋署に異動となった阿部寛の刑事・加賀恭一郎に、黒木メイサ、笹野高史、三浦友和、原田美枝子、泉谷しげるといった個性的な役者たちがからみ、事件の謎が解き明かされていく。

東野圭吾の人気シリーズ

   住宅地の練馬から下町の日本橋に来た刑事なので新参者というわけなのだが、ドラマの中でも人形焼きが大きなカギを握るなど、下町情緒豊かで、濃密な人間関係などもていねいに描かれる。そんな「下町の風景やにおい」の中でサスペンスが進行していくのがミソで、TBSにしてはまあまあ評判のいいドラマに仕上がっている。

   まあ、それも当たり前で、原作は東野圭吾の10年以上も続く人気シリーズだから、もともと話の骨はしっかりしているし、事件の発生や捜査の現場が多くの人になじみのある実際の地名でなのだから、面白くならないほうがおかしい。

   それにしても、近ごろはミステリー番組がやたら多い。この新参者は日曜だが、火曜は「絶対零度」、水曜は「臨場」、木曜は「おみやさん」、金曜は「警視庁失踪人捜査課」といった具合である。理由ははっきりしている。一時期、劇画をもとにしたドラマが次々と作られたが、ストーリーが幼稚で、「子供だましか!」と評判が悪かった。それに代わって、視聴率が期待できそうなドラマとしてミステリーものが重宝されているのだ。

   ミステリーはキャスティングや込み入った謎解きという要素さえしっかりしていれば、面倒な人間関係や人生のドロドロを描かなくても済むから、見ているほうも肩がこらない。新参者はその点で成功しているといえる。達者な役者ばかりなので、これからが楽しみだ。

         茶目っ気を TRICKなしで 出すつらさ

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