2024年 4月 23日 (火)

金正日遺言の無気味な切迫感「核・長距離ミサイル・生化学兵器を充分に保有せよ」

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   週刊誌を見ていると時代が見えてくるとは何度も書いているが、いまの話題は北朝鮮からのミサイル発射と小沢一郎判決と消費税増税がどうなるかが「大問題」で、小ネタだが、歌手・小林幸子と事務所社長との確執とカンボジア国籍を取ったマラソンランナーでお笑い芸人の猫ひろしへの批判が続いているようだ。

   「週刊文春」は「世界的スクープ」と銘打って金正日の遺言を独占入手したとしている。このスクープが小林幸子の記事の後にあるのが可笑しいが、本当なら大変なものである。文春のソウル特派員・朴承珉記者によるものらしく、彼が韓国のシンクタンク「北韓戦略情報サービスセンター」代表の李なる人物から入手したようである。李は北朝鮮の平城理科大学を卒業後、金日成・正日親子の身辺警護部隊に勤めていた。そこで北の最高幹部と関係を築いて、そこから入手したから信憑性が高いと判断したと前文に書いている。これが本物かどうかは何とも判断しがたいが、内容は至極当たり前のことが書かれている。

   まず、「核、長距離ミサイル、生化学兵器を絶えず発展させて充分に保有することが朝鮮半島の平和を維持する道であることを肝に銘じ、一切油断しないこと」とある。

「アメリカとの心理的対決で、必ず勝利しなければならない。合法的な核保有国として堂々と立ち上がることで、朝鮮半島でアメリカの影響力を弱化させなければならないし、国際制裁を解いて経済発展のための対外的条件を用意しなければならない」

   金正恩を支える人間として、「党では、金敬姫と張成沢、崔竜海、金京玉が、軍では金正覚と李英鎬、(中略)経済的には崔永林と金昌龍」などと書かれている。また「党、軍、保衛(司令部)を始め、重要機関は、金正恩の安全と安寧を命で守ること」とあるから、自分の死後、金正恩の命運を心配していたようだ。「切迫した様子が窺えるのも気になる」と五味洋治東京新聞記者は書いている。金正恩体制は盤石ではない。

   原子力発電は少なくとも3基建設せよ。日本との関係は「過去精算と拉致者問題を同時に解決する戦略を立てて執行しなければならない」とある。おおむねこれまでいわれてきたことではあるが、国を離れて住む金正男に対して「あの子は悪い子ではない。窮地に陥らないようにすること」など、親の心情が垣間見えるところがおもしろい。

小林幸子騒動「イベント暗礁」「結婚多難」ひと癖ある男にかき回された女3人

   消費税増税を巡って野田佳彦首相対小沢一郎の党内対立が深まり、自民党まで巻き込んで大迷走中だが、「週刊ポスト」は4月26日(2012年)に予定されている小沢一郎判決が有罪か無罪かで政局が激変するとシミュレーションしている。有罪の場合は野田首相が消費税法案採決を強行し、無罪の場合は大連立への動きが加速すると見ているが、さてどうなることやら。

   小林幸子と解任された事務所社長の確執はまだまだ続きそうではあるが、これをスクープした「週刊新潮」と文春が、真っ向から対立した記事を掲載していて、関心のある向きには注目であろう。元祖新潮は「関係者が内幕全てを激白」とあり、「『小林幸子』無情な解任騒動の一から十まで」だから、前社長の関根良江サイド寄りの記事である。小林が独立してからは、個人事務所の社長として結婚もぜずに尽くしてきたではないか。紅白歌合戦のド派手な衣装と装置は彼女の功績で、あれには5000万円程度かかっているが、そのおかげで33年続けて紅白に出場できたではないか。それが、8歳年下の林明男(50)と結婚してから、紅白の衣装代が高いと文句をいわれ、自分の知っている会社でやらせれば3分の1でできるといわれ、売り言葉に買い言葉で、辞めることになったが、小林から慰留の言葉はなかったという。

   小林側から提示された慰労金は2300万円だった。だが、いままで取り仕切っていた大黒柱が解任されたことで、来年迎える芸能生活50周年の記念イベントも暗礁に乗り上げているというのだ。結びに「それも、後の祭り。無知で無情な解任騒動のツケは、夫妻が払うしかない」と冷たく突き放す。

   文春は「小林幸子 知人が明かす解任社長『ウラの顔』」と、小林寄りの記事だ。知人の話とあるが、これは小林か夫が話したのだろう。ここで問題にしているのは、事務所の女社長と一緒にいた女専務は仲がよく、結婚している専務の家に同居までしていて、乗っているベンツは会社の経費で購入していたことや、小林のプロダクションが入居していたビルは専務夫妻の名義になっていて、小林は毎月家賃を払っていたことなどである。幸子プロの経理は一切専務が握っていて経理状況もよくわからなかった。

   昔からプロダクションの経理はどんぶり勘定で、それを身内に任して横領されたり、経理担当者が勝手に使い込んでいた話は枚挙に暇がない。結婚したよそ者が口を出してトラブルになることもよくあることだ。今回の騒動は、比較的平穏だったプロダクションにひと癖ある男が入りこみ、経理を公開せよ、経費を切り詰めろと迫ったことで、3人の間に亀裂が生じたのだろう。

   だが、両誌を読み比べても、小林夫妻側の反論が少し弱い感じがする。60歳近くまで独身できて、ようやく男を見つけてメロメロになっている女の弱さが透けて見える。この結婚、前途多難かもしれない。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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