2024年 4月 26日 (金)

アップル、グーグルなど米企業は反発 トランプ大統領の入国禁止令で外国人従業員に影響

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   米のトランプ大統領の大統領令が止まらない。「イスラム諸国からの入国禁止」では昨日(2017年1月29日)、とうとう実害が出た。アメリカは移民が育てた国と言っていい。「アメリカがアメリカでなくなる」とメディアが訴える。また企業からも反発が出始めた。この危機感は深刻だ。

   就任10日で、トランプ大統領が発した大統領令は17本。就任の日の「オバマケアの見直し」、23日の「TPP離脱」から始まって、「メキシコ国境の壁の建設」(25日)と続いた。法律と同じ効力があるのだが、むろん予算を伴うものは議会の承認が必要だし、全部が全部通るわけではない。

   しかし、テロ対策強化のためとして27日に出した「イラン、イラクなど7カ国からの入国の一時停止」は、たちまち実害を出した。ニューヨーク、サンフランシスコなどの空港で、入国拒否が続出。大統領補佐官によると、28日だけで全米で109人が身柄を拘束されたという。また、米国以外の空港での搭乗拒否が173人あった。

   ケネディ国際空港(NY)では、ターミナル前に抗議のデモができて、「彼らを入国させろ」などと叫んでいた。参加者は「アメリカらしくない」と言い、新聞は「臆病な選択」と言っている。しかしトランプ氏は、「空港などでうまくいっている」

   しかし、多くの外国人を抱えるIT企業は反発する。アップルのクックCEOは、社員宛のメールで、「我々が支持する政策ではない。移民なくして、今日のアップルは存在しない」と伝えた。

   またグーグルも、外国人従業員100人以上が再入国できない恐れがあるため、アメリカから出国しないよう指示を出した。

アカデミー賞授賞式にも影響出る恐れ

   来月26日行われるアカデミー賞授賞式にも影響が出そうだ。外国語映画賞にノミネートされている「セールスマン」のファルハディ監督はイラン人だ。入国できないかもしれない。この映画に出演したイラン人女優のアリドゥスティさんは、すでに授賞式ボイコットを表明している。

   アカデミー賞を主宰する映画芸術科学アカデミーは、「宗教や国籍を理由に、入国を禁じるのは極めて問題だ」と批判の声明を出した。「問題」どころじゃない。憲法違反の可能性もある。さらに新聞は、この大統領令が、イスラム過激派に強いインセンティブを与えることを懸念している。世界中どこででも、アメリカ人を狙ったテロは実行可能なのだから。

   手嶋龍一が解説したが、「こんなに大統領令を出したのは見たことがない」という。また、実現不可能と思われるものも、周囲が言っても「ああそう」というだけなのだと。「一度大統領になってしまうと、あんたが間違ってる、知識が足らないというのは、ほとんど効かないんだと思う」

   トランプ大統領はこの週末、各国首脳と電話などで会談したが、安倍首相も28日電話で話し、2月10日ワシントンでの首脳会談で合意した。経済、安全保障全般について話し合うという。

文   ヤンヤン
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