2024年 4月 24日 (水)

繊維業界

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

将来を展望するための3つのポイント

ポイント1
本業で高付加価値分野へシフトできるか

  好例が東レだ。東レは現在、世界最大の炭素繊維メーカーである。日産自動車の「フェアレディZ」など2車種に採用されたのを機に、炭素繊維を使った量産車向けの駆動部品などを開発して、世界の自動車メーカーに供給している。炭素繊維はこのほかゴルフクラブのシャフトやテニスラケットなどのスポーツ用品や航空機関連などへも需要拡大が期待されている。東レでは10年後に1000億円の事業に育成する計画だ。

ポイント2
非繊維分野をさらに拡大して多角化できるか

  大手メーカーの繊維事業の売上高比率はすでに30~50%にまで低下しているが、これからもさらに比率の低下は続くだろう。すでに旭化成(繊維事業比率は9%)は、株式市場などでは、繊維メーカーというよりは、化学メーカー、住宅メーカーとして受け止める投資家が多い。帝人ではすでに医薬医療分野が利益柱として育っており、今後はM&Aの積極化などで産業用繊維、情報関連の強化を目指す。独自製品が多いクラレでは人工皮革、化成品、メディカル、ユニチカでは生分解プラスチック、日清紡ではブレーキ、紙製品、バイオなど非繊維分野の拡大にさらに力を入れていく意向だ。

ポイント3
川中、川下への展開で活路を見出せるか

  素材を生産する繊維メーカーを川上産業だとすれば、織物、編み物、染色の分野を担当するのが川中産業だ。川上に位置する繊維メーカーの中には、一段階“下流”の川中分野へ進出することで活路を見出そうとする動きも活発だ。ユニチカやグンゼはその典型だ。ユニチカは織物、編み物分野で高い実績をあげている。グンゼは現在、紳士肌着では業界トップの地位を確立。東レや帝人は、インテリア大手の川島織物に出資している。川島織物は京都の西陣織の伝統技術を活かし、カーテン、自動車シートの分野に強みを持つ会社だ。特に自動車向けの内装材は日本の自動車メーカーの生産拡大とともに大きく成長している。その恩恵は素材を提供する川上企業にも波及することは間違いない。

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