2024年 3月 28日 (木)

ネットジャーナリズム・アンケート結果(下)
政党とブロガー徐々に接近中

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   米国では、ブロガーが政治やマスコミに対して影響力を行使するケースが急速に増えている。日本ではどうなのか。米国のように、政党への取材は行われているのか。自由民主民主公明日本共産社会民主の5党に、政党とブロガーとの関係についてアンケート調査した。

自民党、ブログ戦略では一歩リード?
自民党、ブログ戦略では一歩リード?

   「ブロガーや小規模なネットニュースサイトが取材を申し込んでくるケースはありますか」という質問に対しては、「総選挙前にブロガーからの取材要請があった」(民主)「若干だが、05年の衆院選挙の際、党代表や幹部へインタビューを行いたいという取材要請があった。先方がどのような方か分からず、唐突感は否めませんでした」(公明)「主に選挙期間中に政策・マニフェストについての取材があった。イラク戦争が始まったときには、それに対する党の見解などについて、取材があった」(日本共産)「05年に行われた衆院選の時にあった」(社会民主)といった具合に、政党にブロガーからの取材が行われていることが明らかになった。
   自由民主党は「党への個別の取材に関する内容については、回答を控えさせていただきます」としているが、05年には「メルマガ/ブログ作者と党幹部との懇談会」を計3回開催しており、ブロガー重視の方針を打ち出していた。事実、懇談会を企画した世耕弘成参院議員は、民主党を念頭に「ブロガーとの付き合いでは自民党が主導権を握っている。誠実に継続してやっているからだ」と語っていることもあり、取材に対しては前向きな対応をしているものと見られる。
   「記者会見にブロガーやネットニュースサイトの『記者』が参加することはありますか。『していない』場合、将来『参加』させることを考えていますか」という問いでは、前向きな姿勢を示す政党が多かった。 「記者会見は完全オープンなので、ブロガーやネットサイトの記者が参加するのは可能」(民主)「選挙結果についての記者会見の際、申し入れがあったので、参加していただいたことがあった。記者クラブとの関連もありますが、希望があれば、できる限り応じていきたいと思う」(日本共産)。「将来については検討したい」(社会民主)。ただ、「まずは記者クラブの了解が前提」(公明)というように、既存の記者クラブとの関係がネックのようだ。
   ブロガーや小規模なネットニュース サイトの扱いでは、「現時点では報道関係者とは『認識していないが、将来的には検討したい』(自由民主)が代表的な考え方だ。現状では、「扱っていない」政党が大半だった。ニュースリリースの配信についても、ほぼ同じだった。

   各党への質問と、それに対する回答は以下のとおり。

Q1. ブロガーや小規模なネットニュース サイトが取材を申し込んでくるケースはありますか。あれば、差し支えない範囲でどんな中身で、どのような取材方法、態度だったかお知らせください。
自由民主党 党への個別の取材に関する内容については、回答を控えさせていただきます。
民主党 かつて、大手ネットニュースサイト(ライブドア、ギガなど)から取材要請はありました。また、総選挙前にブロガーからの取材要請もありました。
公明党 若干ですが昨年の衆院選挙の際、党代表や幹部へインタビューを行いたいと取材要請がありました。先方がどのような方かもわかりませんでしたので唐突感は否めませんでしたが、取材依頼の対応はていねいでした。
日本共産党 主に選挙期間中に政策・マニフェストについての取材がありました。イラク戦争が始まったときには、それにたいする党の見解などについて、取材がありました。電話でもホームページからのメールでもお受けしていますので、どちらからもありました。丁寧に取材して掲載していただきました。
社会民主党 昨年行われた衆院選の時にありました。

Q2. ブロガーや小規模なネットニュース サイトをマスコミとして扱っていますか。扱っている場合は、具体例をお教えください。除外されている場合は、その理由、基準をお知らせください。
自由民主党 現時点では、一般的に言われている従来の「報道関係者」とは認識しておりません。なお、将来的には国民や既存の報道関係者の考えも踏まえて、検討したいと思います。
民主党 上記総選挙前に対応したもの。従来のマスコミとは同じ定義にならないと思いますが、新しい情報媒体として認識しています。
公明党 マスコミ同等とは考えておりません。また、特定のサイト運営者との日常的なおつきあいはありません。
日本共産党 インターネット・メール・ブログ等による情報発信の重要性は十分認識しております。 そして、どんな小さなネットニュースサイトであっても、悪意の中傷等を目的とするものでない限り、その取材・問い合わせには、できるだけお答えするように心がけています。
社会民主党 扱っていません。

Q3. ニュースリリースをブロガーや小規模なネットニュース サイトに送付、配信していますか。
自由民主党 配信については、現時点では行っておりません。なお、将来どうするかについては未定です。
民主党 行っていません。
公明党 特段配信しておりません。
日本共産党 ご希望の方にはメールニュースを配信しています。その中にブロガーの方やネットニュースサイトが含まれていることは確認していません。
社会民主党 配信していません。

Q4. 記者会見にブロガーやネットニュース サイトの「記者」が参加することはありますか。「していない」場合、将来「参加」させることを考えていますか。
自由民主党 回答は控えさせていただきます。
民主党 記者会見は完全オープンなので、ブロガーやネットサイトの記者が参加するのは可能です。もっとも、これまでそうした方々が参加したことはありません。
公明党 現在は参加しておりません。会場の規模という点もありますが、まずは記者クラブの了解が前提です。
日本共産党 選挙結果についての記者会見の際、申し入れがありましたので、参加していただいたことがありました。記者クラブとの関連もありますが、希望があれば、できる限り応じていきたいと思います。
社会民主党 参加することはありません。将来については検討したい。

Q5. ジャーナリストではないが、影響力を持っている有名ブロガーを知っていますか。御社の属する業界で具体例をお教えください。
自由民主党 党として、特定個人の名前を挙げることは、控えさせていただきます。
民主党 分かりません。
公明党 泉あいさんの「GlipBlog~私が見た事実」や横山希美子さんの「きっこのブログ」など。
日本共産党 承知しています。具体的な氏名の回答は差し控えさせていただきます。
社会民主党 知りません。

Q6. 「メルマガ/ブログ作者と党幹部との懇談会」招待するメルマガ・ブログ作者の選定基準をお知らせください。(自由民主党のみへの質問)
自由民主党 回答を控えさせていただきます。

Q7. 「メルマガ/ブログ作者と党幹部との懇談会」に出席した一部のブロガーからは、「この会は、自民党のPRをするための『ブロガー記者クラブ』なのではないか」との声も出ているようですが、いかがでしょうか。(自由民主党のみへの質問)
自由民主党 いわゆるブログやメールマガジンが社会に対して影響力を持っているということは厳然たる事実であると認識しております。
そうした方々に、わが党の考え方や政策を正しくご理解いただきたく、こうした懇談会の場を設けております。

Q8. 「ブロガーと前原代表との懇談会」に招待するメルマガ・ブログ作者は、どのように選ばれたかをお知らせください。懇談会に参加したブロガーのブログを拝見すると、「大塚耕平参議院議員が、ブロガーの泉あい氏に人選を一任した」と思えます。(民主党のみへの質問)
民主党 質問に記載のとおり。総選挙前に取材要請をしてきたブロガー(泉あい氏)の取材に応じるとの連絡をした際に、懇談会のご提案があり、それに対応したもの。参加ブロガーの人選は泉あい氏に一任しました。

Q9. 他党主催の類似懇談会に出席したブロガーからは、「党のPRをするための『ブロガー記者クラブ』なのではないか」との声も出ているようですが、このような声に、どのようにお応えになりますか。(民主党のみへの質問)
民主党 他党のことなので分かりません。

Q10. 今後も、懇談会を行う予定はありますか。あるとすれば、いつ頃に予定されていますか。(民主党のみへの質問)
民主党 今後も同様の企画の開催を念頭には置いていますが、詳細は未定。
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