三井住友処分、怯える銀行界
2006.05.02 16:20
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三井住友銀行が行内基準をどこまで整備するのか
営業現場はノルマがかかれば、馬車ウマのごとく働き、それを達成しようとする。一方で、デリバティブ商品のような複雑な商品設計の金融商品も、個人投資家、普通の消費者のレベルで販売されるケースも増えていく。商品説明がおろそかになったり、理解できないまま契約してしまう例は、これからも減ることはないだろう。
金融庁は06年4月、地方銀行の頭取が一堂に会す例会で、投資信託などのリスク商品の販売体制について、「金融検査で重点的に検証する」と、金融商品の行き過ぎた販売にクギを刺している。金融検査で、顧客への説明責任が不十分と指摘されれば業務改善命令は必至である。三井住友銀行ほどの処分となれば、中小の金融機関では屋台骨が揺らぎかねない。つまり、今回の厳しい処分は「一罰百戒」であるともいえる。
銀行や信用金庫は、三井住友銀行が説明態勢などの行内基準をどこまで整備するのか、見守っている。おそらく同行の体制は、「最高レベルになる」(地銀の幹部)。どこまで、どうやって整備してよいのか、わからなかった銀行などにとって、ひとつの目安になる。