2024年 5月 4日 (土)

NHK受信料義務化見送り

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   「NHKはNFK(日本不祥事協会)と改名するそうだ」。こんなブラックジョークが飛び出すほどNHKの不祥事は止まらない。こんどは職員のカラ出張による1,700万円着服が発覚。視聴者からの猛反発によってNHKが狙っていた受信料義務化も見送りになった。

新たな不祥事発覚で、どうするNHK
新たな不祥事発覚で、どうするNHK

   カラ出張による着服で2006年4月11日付けで懲戒免職処分になったのは報道局スポーツ報道センターの大下哲史プロデューサー(43)。01年から06年4月まで242回もカラ出張を繰り返し1,762万円を着服。2年前から連続した不祥事でチェック体制を強化した中で起きた。
   しかも、NHKは11日、カラ出張事件を「内部調査で発覚した」と発表した。これを17日に「外部のスポーツ関係者からの通報でわかった」と訂正。さらに「カラ出張は国会でNHK予算を審議中にわかった。しかし、これでは予算が通らないとして予算通過後に発表した疑いもある」(放送記者)という疑惑もある。

「今回の事件はタイミングが悪い」

   04年に起きた音楽プロデューサーによる制作費着服、ソウル支局長の不正経理処理に続く不祥事に、視聴者からは抗議の電話が殺到、4月18日までに3,400件を数えた。NHK経営委員会の石原邦夫委員長は「受信料対策の強化を図るのにあたり、今回の事件はタイミングが悪い」と述べた。
   石原委員長の発言はその通りだった。連続した不祥事で広がった受信料不払い者に対してNHKは民事手続きによる支払い督促の実施を検討、竹中総務相の私的懇談会「通信・放送の在り方に関する懇談会」(座長・松原聰東洋大教授)も受信料義務化の方針を固めていた。
   受信料義務化についてNHKの橋本会長は「強く要望している」と答弁。民放連の広瀬会長(テレビ朝日会長)も「不払い者への罰則導入もやむを得ない。全員が公平感を持って支払う仕組みをつくることが重要だ」と容認、受信料義務化は来年にも実施される運びだった。

チャンネルを減らしても義務化を実施したかった

   しかし、今回のカラ出張発覚で、この受信料義務化計画は宙に浮いた。竹中総務相は「驚くほど(着服の)金額は大きいし、NHK自身が襟を正してしっかりやっていただきたい」。松原座長も「ガバナンスの強化策を講じ、その進展を見極めたうえでないと国民の理解は得られない」と受信料の義務化と不払い者への罰則導入については見送りする方針を明らかにした。
   「NHKは保有するチャンネルを減らしても受信料義務化を実施したかった。しかし、自らの不祥事を棚に上げて受信料を国民に強制するのはタイミングが悪い、と泣く泣く断念した。NHK幹部は“大下プロデューサーの不祥事は万死に値する”とまで語っていた」(放送記者)
   NHKは経営改革の一環としてトヨタから役員クラスを派遣してもらうことになった。NHK理事に民間人が一人加わって、何が変わるのだろうか。

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