不正の「温床」 損保特約見直し
2006.09.15 10:25
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特約開発合戦のしわ寄せを受けた契約者
(1)自分がどの特約に入っているか気付かず、請求し忘れたために十分な保険金を受け取れなかった(2)一般の傷害保険とほとんど同じ内容の自動車保険特約を勧められ、結果として保険料の二重払いを強いられた−−。こんな事例も少なくないといい、契約者が特約開発合戦のしわ寄せを受けている格好だ。
金融庁は06年8月、損保各社に不払いの実態を調べ、9月末までに同庁に報告するよう指示した。損害保険ジャパンや三井住友海上火災保険で新たな不払いが発覚し、一部業務停止命令を受ける事態に発展したためだ。他社でも状況は似たり寄ったりといわれ、不払い総額は業界全体で100億円を超える可能性もある。
そうなれば、さらに深刻な損保不振を招くのは確実だ。遅ればせながら始まった特約削減の動きには、こうした事態に「予防線」を張り、顧客重視への回帰の姿勢をアピールする意味もあるようだ。