一世を風靡したアニメ「宇宙戦艦ヤマト」。2006年夏の劇場公開を目指して製作が進んでいると報道されたが、公開予定の夏も過ぎ、今どうなっているのだろうか。新作のヤマトはどうなった??朝日新聞に「宇宙戦艦ヤマト」20年ぶり復活。06年夏新作公開へ」の見出しが躍ったのは04年7月20日のこと。紙面に載ったイメージカラー写真を提供したのはエナジオという会社で、エナジオはこの記事をホームページにも掲載した。ファンはヤマトの復活を楽しみにし、ネット上には「ヤマトの新作状況はエナジオのホームページで確認できる」というカキコミも出ていた。権利を巡り、裁判沙汰朝日新聞には、新作ヤマトのあらすじが紹介され、「公開予定は06年夏で、全国400館規模で上映する計画だ。テレビ放映も予定しているという。制作費は約25億円」と書かれている。新作の題名は「宇宙戦艦ヤマト 復活編」(仮題)。原作は1作目から製作に携わってきた西崎義展氏。プロデューサーは映画「リング/らせん」のプロデュースを始め、カンヌ映画祭など国際映画祭で数多く受賞している仙頭武則氏、となっている。「宇宙戦艦ヤマト」の製作に関する著作権はプロデューサーをした西崎義展氏が持っていたが、同氏の会社ウエストケープコーポレーションの破産などに伴い、作品群の著作権等は東北新社に包括譲渡された。しかし、その後アニメ作品「宇宙戦艦ヤマト」の著作者は誰かをめぐり、民事訴訟が発生し、最終的に西崎氏側の権利が確定した。西崎氏と関係が深いエナジオは「ヤマト」の新作が製作できることを確認し、04年7月12日、「劇場用アニメ『新宇宙戦艦ヤマト復活篇』(仮題)の制作について、「宇宙戦艦ヤマト」の著作権者である(株)東北新社と協議に入った、と発表した。その流れで書かれたのが朝日の記事のようだ。公開時期はいまだに決まっていないでは新作の「ヤマト」はいつ公開されるのだろうか。J-CASTニュースがエナジオに取材したところ、朝日新聞の記事を同社のホームページに掲載したことは認めたが、「いつ公開するかについて当社は何も言ってません。現在は製作を進めている段階で、公開時期は決まっていません」と話した。著作権者の東北新社はどう考えているのか。「やっかいな案件であるのは確かです。私たちには製作されているかどうかもわからない状況です」とだけ答えた。往年の「ヤマト」ファンにとっては、喉から手が出るほど見たくてしょうがないアニメ映画である。2ちゃんねるなどでも「新作のヤマトはどうなった!?」などのカキコミも出ている。ただ、肝心のプロデューサーで原作者の西崎氏は、覚せい剤取締法違反などの罪で懲役5年6月が確定し服役中だ。「ヤマトは西崎Pの作品だから、彼が出所するまで製作なんか進まないんじゃないの?」などというカキコミも出ている。しばらく「復活はない」ことだけは確かなようだ。
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