2024年 4月 19日 (金)

朝日社説「国連軽視だ」 日経コラムがかみつく

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   2006年10月29日付け日本経済新聞のコラムで、朝日新聞が槍玉に上がっている。「特定の社を批判するのが目的でない」としてX社としているが、中身は痛烈な朝日新聞批判だ。
    最近メディア、とりわけ新聞では他社批判がタブーではなくなっているようだ。

   日経新聞編集委員・伊奈久喜氏はコラム「風見鶏」の欄で、「『前のめり』論の深層心理」と題し、朝日新聞社説の内容を痛烈に批判している。

「社説文学」と「前のめり」の関係

日経のコラム、朝日社説を「国連軽視の勧めに近い」と批判
日経のコラム、朝日社説を「国連軽視の勧めに近い」と批判

   「『社説文学』とでも呼ぶのだろうか、新聞の社説で多く使われる言葉のひとつに『前のめり』がある」と始まるコラムは、「前のめり」という言葉の多用に疑問を呈する。そのなかで批判の対象となるのは06年10月17日付朝日新聞の「制裁論議 前のめり過ぎないか」と題した社説である。 朝日のこの社説では、周辺事態法について次のように述べられている。

   「『周辺事態』を認定するにはいくつかの条件がある。たとえそれが形式的に当てはまるとしても、問題なのは今、そう認定することが妥当なのかどうかだ。武力衝突は起きてないし、むしろ緊張を高める結果にならないか。これがなければ米軍を支援できないからという理由は、議論が逆立ちしている」

   米軍への後方支援を可能にするため「周辺事態」を認定するという、制裁をめぐっての議論を、朝日は「前のめり」と言うのである。

「前のめりとは国連軽視の勧めに近い」

   これに対し、日経新聞の同コラムは、

   「北朝鮮への経済制裁を明記した決議1718は全会一致で採択された。これ以上の法的正当性はない。今回の経済制裁への協力が前のめりだとすれば、いかなる安保理決議であれ、実施に協力するのは前のめりと呼べる。それは国連軽視の勧めに近い」

   と、朝日の社説を「国連軽視だ」と言わんばかりである。
   さらに、このコラムでは「前のめり」という言葉を使う「歯止め論」を3つの「深層心理」に分類する。1つは、「ここで止めなくては取り返しのつかない結果になるとの危機感」。2つ目は「どうすべきか自信がないので、とりあえず歯止め論を語る場合」、3つ目は政治家が「腹の中では賛成でも国内政治の立場を考え」と語る場合。以上の3つである。 朝日社説の場合は、政治家ではないわけだから1か2ということになる。
   同コラムは次のように結んでいる。

   「傾聴すべき歯止め論は、第1の危機感の場合だが、安全保障分野の歯止め論には冷戦時代の感情的な『巻き込まれ』論が残る場合がある。第1の例に見えても注意を要する。北朝鮮の核、ミサイルをめぐる現在の危機は巻き込まれの危険ではない。日本にとってまさに『いまそこにある危機』である」
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