2024年 4月 19日 (金)

ボルボの日産ディーゼル子会社化 TOB価格に投資家は不満

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   スウェーデンの大手トラックメーカー、ボルボは2007年2月20日、傘下のトラックメーカーである日産ディーゼル工業に対して株式公開買い付け(TOB)を 実施し、同社を100%子会社化すると発表した。世界の主要トラックメーカーの間で激化しつつある次世代エンジン開発競争に備えるのが大きな目的で、両社は同日開いた会見で、グループ一体で経営を進めることが最善の選択だと説明した。世界的に厳しさを増す環境規制強化に対応するため、国境を超えたトラックメーカーの連合形成が活発化している。

排ガス規制への対応が子会社化する最大の理由

ボルボの日産ディーゼル子会社化に注目集まる
ボルボの日産ディーゼル子会社化に注目集まる

   TOBは3月23日まで実施する。買い付け価格は、過去3カ月間の単純平均価格に約3割のプレミアムを上乗せした1株540円。ボルボは現在でも同社の発行済み株式の19%を保有する筆頭株主で、100%取得できた場合の買い付け総額は、1,683億円となる。TOBが成立すれば東証1部上場の日産ディは上場廃止となる。外資傘下のトラックメーカーは、独ダイムラークライスラーが85%を出資する三菱ふそうトラック・バスの先例があるが、100%子会社は初めて。

   日産ディは元々、日産自動車系列のトラックメーカーだったが、日産が乗用車事業に経営資源の集中を図るため、06年3月と9月、保有する日産ディーゼル株19%をボルボに売却していた。

   日本や欧米では、ディーゼルエンジンから排出されるPM(粒子状物質)やNOx(窒素酸化物)の規制が段階的に強化される。日本の場合、トラッ クのPMとNOxの排出量を09年以降、現在より3分の1程度まで削減することが義務づけられる。会見したボルボのヨルマ・ハロネン最高経営責任者 (CEO)代理は「排ガス規制への対応が、日産ディを子会社化する最大の理由だ」と述べ、「19%の出資だけでは(新エンジン開発などで)素早い意志決定 ができない」と述べた。
   日産ディが持つハイブリッド技術などをボルボが取り入れ、グループ全体の商品開発力を高めることを狙う。また、日産ディを通じてアジアでの事業強化につなげる。

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