2024年 4月 29日 (月)

「選挙は決断までが8割」 浅野流「当選の仕方」

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   浅野史郎・前宮城県知事の都知事選出馬が決定的になった。現在の肩書きは大学教授で、さまざまな知事時代の「体験談」を授業で明らかにしたのだという。J-CASTニュースでは、授業の資料を入手した。そこには浅野流「当選の仕方」が披露されていた。

   浅野氏は2007年3月2日朝に放送されたTBSのワイドショー「みのもんたの朝ズバッ!」に出演し、

「(出馬は)もし決まれば、早ければ早い程良いと思います。『覚悟決めなきゃいけないだろうな』っていう気は、もう、かなり強くしています」
「今、非常にまじめな気持ちになってきている」

などと述べ、事実上の出馬表明をした。

「選挙は、終わったら敵よりも味方が怖い」

浅野氏、大学の授業では「選挙は決断までが8割」と披露
浅野氏、大学の授業では「選挙は決断までが8割」と披露

   浅野氏は厚生省勤務を経て、93年~06年11月まで3期12年にわたって宮城県知事を務めた経緯から、「官僚」「政治家」という面がクローズアップされがちだ。だが、現在の本職は大学教授。「慶應義塾大学教授」という肩書きを持っている。

   浅野氏は06年4月に、金子郁容・同大教授(幼稚舎長を務めたことでも知られる)の誘いで同大総合政策学部教授に就任。同学部は、竹中平蔵・前総務相が01年まで教授を務めていたことで知られている。浅野氏は「政治参加論」「地方自治の制度と運営」といった授業と、ゼミを担当、知事時代の体験談を数多く披露している。

   J-CASTニュースでは、このうち「政治参加論」のレジュメを入手した。その中には、「(浅野の)選挙について」という、これから選挙に臨む浅野氏を知る上では、興味深いページもある。その中には、「選挙を通じて選挙になっていく」「選挙に金はかからない」といった、浅野氏が経験した選挙にまつわる項目が8つ並んでいる。特に注目を集めそうなのが、「選挙は決断までが8割」「選挙は、終わったら敵よりも味方が怖い」というふたつのくだりだ。

   浅野氏が授業中に何を話したのかは明らかではないが、06年11月の同大学のイベント「オープン・リサーチ・フォーラム」で行われた、浅野氏と前出の金子氏との対談にヒントがありそうだ。浅野氏が初めて宮城県知事に立候補した時のエピソードを、こう語っている。

「(立候補の時)高校の大先輩に『君は野球の20対0で負けている試合の、9回裏2アウト、ランナーなしの、最後のランナーなんだぞ』と言われてガックリきたんですよ。世の中の見る目はそうだった。でも、いざ(選挙に)大差をつけて勝ってみたら、違う人からは『あれば誰が出ても勝てたんだよね』と、言われる」

   これに対して、レジュメの「選挙は決断までが8割」という項目では、「誰が出ても勝てた」「0対20の9回裏、最後のバッター」といった言葉が並ぶ。どうやら、「出馬前には、色々なことを言われて迷わされた」といった趣旨らしい。

意外!学生の評価は辛辣

   「選挙は、終わったら敵よりも味方が怖い」という項目については、対談では、もっと明快に発言している。

「前職の知事がゼネコン汚職で捕まったでしょ。何でなのかと考えた時、彼の正義感といった個人的な事情なのか、宮城県政という土壌に咲いた『あだ花』なのか、と考えたら、後者だと。土壌というのは選挙の時にできる。選挙の時の貸し借り、ドロドロの人間関係…。だとすると、選挙はキッチリやらないといけない。そう考えると、自分の実感から、格言をつくったんだけど、『選挙は終わったら敵より味方が怖い』。それから、選挙を戦う時の図式のありかたが、知事になった時の任期のあり方を決定づける」

   このような「知事時代の秘話」が多数盛り込まれたと見られる浅野氏の授業だが、意外なことに、学生のアンケート結果を見ると、辛辣な評価が目立つ。

「独自の政策で成功をおさめてきた方だとは承知していましたが、武勇伝や自慢話が多く、信念を押し付けられてるように感じることが多々ありました」
SFC(編注: 授業が開講されている湘南藤沢キャンパス)に来て以来、最悪の授業だった。この授業の為にかけた時間、かかった学費を返して欲しい気分だ」
「教授を変えるほかない。この人に教授の資格を与えたのはいったい誰だ。ネームバリューのある客引きパンダということなら、もうちょっと面白い客引きパンダを呼べばいいのに」
「先生の体験談の先に何があるのか。そこをもう少し工夫すると、学生にとっても興味深い授業になると思う。体験談を聞くだけの講義だともったいない。先が見えない」

   もっとも、このアンケートの回答率は17%(履修者265人中45人)と低い上に、「この授業を履修してよかったと思いますか」という質問には60%が「はい」と回答するなど、この辛辣な意見をストレートに受け止めて良いかどうかは微妙なところだ。このアンケート結果については、対談の場で、浅野氏はこう弁明している。

「ホントに見なきゃ良かった、と思うんですけれども、それは叱咤激励だと思って、今は立ち直っていますね」

   浅野氏は、07年春学期ゼミのシラバス(授業計画)をすでに明らかにしており、2つあるゼミのうち、ひとつは「知事像の解剖―知事の権力と限界」というテーマ。

「ケーススタディとして、3期12年宮城県知事を務めた講師浅野史郎を徹底解剖することによって、生身の知事像に迫る」

のだという。

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