2024年 4月 27日 (土)

スティール代表来日の背景 「グリーンメーラー」払拭できるか

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   「顔のない投資家」と呼ばれた米系投資ファンド「スティール・パートナーズ」のウォレン・リヒテンシュタイン代表が07年6月12日、東京都内で記者会見を開いた。同氏がメディアの前にその姿をさらすのは極めて異例で、会見を開くこと自体、世界初という。スティールがそこまで踏み切った背景には、サッポロ ホールディングスの買収問題がこう着状態に陥るなど、日本での活動の厳しさからくる焦りがある、との見方も出ている。

サッポロ、ブルドックはうまくいかず

   リヒテンシュタイン代表は会見の冒頭、「ミステリーをはぎ取って、本音の話をしたい」と切り出した。そして、スティール創設以降の歴史を紹介し、「我々は長期保有を常としている。グリーンメーラー(高値で買い戻させることを狙った買収者)ではない」と強調した。

   スティールは2004年、金属加工油剤メーカーのユシロ化学工業、毛織物染色・加工大手のソトーと、相次いでTOB(株式の公開買い付け)を仕掛けた。06年秋には即席めん大手の明星食品にTOBを開始し、同業の日清食品がホワイトナイト(白馬の騎士=友好的買収者)として登場した。いずれもTOBそのものには失敗したが、保有株を高値で売ったり、高配当を得て、大きな利益を手にした。

   しかし、07年に入って実施したサッポロへの買収提案は、期待していたとされるホワイトナイトが現れず、サッポロとは質問と回答のやり取りを延々と続けるばかり。明星買収劇でスティールが多大な利益を得たことを目の当たりにした日本の経済界にはスティールに対する反感が強く、現在TOBを進めているブルドックソースにホワイトナイトが現れない一因といわれる。

   リヒテンシュタイン代表は、会見で「我々は誤解されている。だから日本に来た」と述べた。あえてこの時期に日本で会見した理由を問われると、「日本企業の経営者と株主を教育したい」と主張、自信に満ちあふれた表情ながらも、日本での壁を打ち破りたいとの考えをにじませた。

「日本の経営者を教育したいなんて、ごう慢だ」

   しかし、実際にスティールに対する「ミステリー」の暗雲が晴れ、日本の経営者や投資家がスティールへの見方を変えたかというと、疑問だ。リヒテンシュタイン代表は会見の中で、日本企業が相次ぎ導入を進めている買収防衛策を批判し、「日本の事前警告型の買収防衛策は世界で最悪の防衛策だ。他の国なら違法だ」と述べたが、経済産業省はすぐに強く反論。北畑隆生事務次官は「国内でも合法で国際スタンダードに沿ったものだ。(スティールの主張は)全くの事実誤認だ」と指摘。さらに「スティールはグリーンメーラーと疑われても仕方がない」とまで言い切った。

   日本企業の幹部からは「スティールにとって最も重要なのは、ファンドに資金を出してくれる投資家だ。日本の経営者を教育したいなんて、ごう慢だ」との声も出る。経済界の反発は収まる気配はなく、スティールの日本での投資環境は厳しさを増しそうな情勢だ。

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