2024年 4月 16日 (火)

「ゆるい」ネットの付き合い 一言カキコ「ミニブログ」の将来性

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   「ミニブログ」サービスに参入する企業が続々登場している。思いついた事や自分の状況を1行程度の短文で書き、その文章に反応した会員同士でチャットのようなコミュニケーションができる仕組み。参入した企業は「従来のブログや、ミクシィ(mixi)のようなSNSも需要が一巡した」ため、新サービスとしてかなり期待できるとしている。

ブログやSNSのように深く考えず、気軽に情報発信

「もごもご」でも、新着日記はすべて1行だ
「もごもご」でも、新着日記はすべて1行だ

   この「ミニブログ」は、06年秋からアメリカで始まったサービス「Twitter」が注目を浴び、日本でも07年4月ごろから続々と参入企業が現れた。「ミニブログ」の参加者は、サービス会社から提供される無料のホームページを持つことができ、ブログの欄に「クルマの定期点検へ向かう」「環境問題についてのWeb教育を受けた」「白シャツ紺カーデ茶系花柄スカートであからさまに疲れた顔の30代女子が私です」などの短文が書ける。長くて140文字程度だ。

   他の参加者が書いた新着ブログを読み、参加者のホームページを自由に行き来して、ブログに対するコメントを「短文」で書くことができる。人気のブログには多くの人が集まり、チャットのようなやりとりも可能だ。

   IT関連メディア・コンテンツの開発・運営のドラゴンフィールドが、ミニブログサイト「もごもご」を立ち上げたのが07年5月。参入の理由を同社はJ-CASTニュースに対し、

「従来のブログやSNSも需要が一巡し、これらの利点や不都合な点を踏まえた上で、新しいコミュニケーションサービスをユーザーが求めるようになっている」

と説明。そして、ミニブログの最大の特徴をこう話す。

「ブログやSNSのように深く考えず、短い文章で気軽に情報発信できることです」

   ブログは、考えをまとめ文章を推敲し発信するし、SNSは会員の「お友達」の反応を気にしながら文章を書かなければならない。それに比べ「ミニブログ」は、その場で感じたことや状況を一言書き込めばいい、というのだ。

   同社の会員は現在約5000人。男女比は6:4で20代、30代、10代の順で参加者が多い。会員同士のレスポンス機能を充実しているため、ブログを通じて「お友達」になる事も多いようで、サービスを開始して2ヶ月後に「結婚しました」という正式なメールが同社宛に届いたそうだ。

   また、ウェブサービス会社のアセントネットワークスの朴世鎔社長は、

「現在のSNSやブログのサイトは掲示板やチャットなど様々な機能を持っていますが、ミニブログは機能を絞り込み、ネット上のお友達との付き合いも『ゆるく』気楽に長く使えるように特化したもの」

と説明する。同社がミニブログサービス「Haru(ハル)」を始めたのが07年4月。会員は5200人で、毎日20回~30回更新する会員が多く、少ない会員でも3回。会員登録した人の80%がリピーターになっているのだという。

   朴社長は「ミニブログ」について、今後1~2年で真価を発揮するのではないか、と予想している。それは、ユーザーがカキコんだ「個人情報」が蓄積され、1年前の自分は何をし、何を感じていたか、のデータが多数残り、ユーザー自身がそれを活用できるからという。

「そのためには、気楽に長く使えるような仕様を追求していくことが大切。多くの会社が参入してくるでしょうが、それを成し得た会社2~3社に淘汰されるのではないか」

「ネット上のコンテンツが既に過剰」で難しい

   「ミニブログ」の利用者は現在、アメリカだけで40万人弱、日本では数万人が利用しているといわれている。そしてポストSNS、ブログとして俄然注目されてきているわけだが、一方で専門家の評価はそれほど高くない。
   ITジャーナリストの井上トシユキさんはJ-CASTニュースの取材に、「ミニブログ」の今後について、「ごく親しい間柄のやりとりならいいのだけれど、参加人数が増えてくると余計な誹謗中傷が飛び交い始め問題化するだろう」と予測する。さらに、

「ミクシィ、2ちゃん、ブログ、チャット、ショートメールとネット上の(コミュニケーション)コンテンツが既に過剰で、さらに『ミニブログ』と言われても、果たしてユーザーにそんな暇があるのか」

と首を傾げている。

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