2024年 5月 8日 (水)

卒論代行はびこる背景 大学が指導していないから?

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「卒論の代筆は十分可能」と大学教員

   ブログなどでは、このような代行業者が出現した背景について、議論が沸き起こっている。卒論・レポートの代行については、問題ありとするブログの意見が多い。しかし、代行業者がはびこる実態については、大学側への厳しい指摘が見られる。
   ある大学教員男性は、自らのブログで、「問われなければならないのは、そう言う『裏技』が出来てしまう大学の仕組みの方じゃないのかな」と切り出す。そして、次のように嘆くのだ。

「最近話題の水増し合格が、センター試験だけで合否判定する大学の責任が大きい、と言うのとちょっと似てる。10年放置されてきたどころか、複数業者がやって行けてるとしたら、やっぱりそう言う環境の方に問題ありでしょう。不正卒論を除籍にする前に責任ある指導体制を作りなさいな。ていうか、見破れないんじゃないかな」

   また、別の大学教員はブログで、

「周りのゼミでは、日常の経過報告はそこそこやっているにせよ、提出前のチェックをやっているところはほとんどないはずです。だから、決して煽るわけではありませんが、卒論の代筆は十分可能だと思います。また、提出されたあとの玉稿?に目を通すどころか、表紙だけ見てさっさと成績(=A)をつけるセンセーもいらっしゃるかと思います」

と衝撃的なことを述べていた。
   読売新聞の取材に応じた前出の代行業者は、「2007年8月18日の読売新聞夕刊記事に関して」という一文をサイトに掲載、次のように大学側を断罪した。

「お客様の中にはアカデミックハラスメントを原因として当社のサポートを需要なさる方などもいらっしゃいましたが、大学が教育に値する指導を行なっていないため、卒業論文やレポートをこなすだけの能力を備えていないというお客様が大半でした。
また、弊社も必ずしもお客様の専門とする教科の人間を担当にあてられるというわけではありませんので、回答の質を担保できない場合もありますが、これといった問題もなく、審査する大学があまりにも杜撰なのではないかと思われます。
大学側としては、本当に代行に気づいていないのか、気づいていて見てみぬふりをしているのかわかりませんが (おそらく後者ではないかと思われますが)、現在の大学卒業の学位がもつ価値を扱うに値する資格があるとは思えません」

   J-CASTニュースでは、この業者にさらに取材しようと、サイトにある業者の連絡先に電話したが、8月20日は何度かけても留守番電話だった。

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