2024年 4月 27日 (土)

室伏も末續も次々惨敗 「スター意識」があだ?世界陸上

「東京ストリート陸上」やりすぎか

   こうした派手な演出が、選手をスター気取りにしたのか。

   TBSの広報担当者は、J-CASTニュースの取材に対し、「世界陸上を盛り上げて見てもらうのが放送局の使命なので、選手には頑張ってほしいという意味で出演を求めた。陸上に親しみがない日本人にも、(その魅力を)分かってもらうのが目的です。選手の健康管理や練習をつぶしてでも、ということではない。自己管理は、あくまで選手がしている」と答えた。

   JOCの福田選手強化本部長の発言については、「選手は本番に向けて自己管理していないという意味で言われたのだと思いますが、コメントと言われても…」と歯切れが悪かった。

   これに対し、TBSら大会関係者に厳しい見方をしているのが、サンケイスポーツだ。8月30日付のコラム「甘口辛口」で、「けいれんの原因には『主に塩分やカリウム不足』が考えられるそうだが、一流選手がそんな基礎知識を知らないはずがない。ある関係者は『地元開催で選手は春ごろからテレビなどでメダル、メダルとあおられてきた。自分の実力とのギャップを知りながらと、つい無理な調整をしたのでは…』と分析している」と指摘した。

   最近、スポーツ選手がスター扱いされるケースが目立っている。例えば、アイドルのように写真集を出したビーチバレーの浅尾美和選手や、派手な言動と興行で人気を集めているボクシングの亀田兄弟らだ。それに比べれば、陸上選手はまだ地味とも言えるが、陸上競技にスポットライトを当てようという試みも始まっている。

   それが、男子400メートル障害の為末大選手が企画し、5月に東京・丸の内の路上で開かれた「東京ストリート陸上」だ。大勢のサラリーマン、OLらが見守る中で生き生きと動く選手たちの雄姿を、テレビで見た人も多いはずだ。

   ただ、メダル獲得は、前出の福田選手強化本部長が指摘するように基礎的な体力の有無がものを言う。大会はあと、女子マラソンなどを残すのみで、世界陸上にはもはや多くを望めない。が、北京五輪までにどのように基礎体力を養うのか。

   J-CASTニュースでは、大阪にいる日本陸連の広報担当者に、苦戦の理由などの分析を聞こうとした。この広報担当者は、「大会期間中は、事前に取材を申請してもらっている。それなしにはお答えできない」と話し、電池切れと言い残しながら電話が切れた。

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