2024年 4月 25日 (木)

50ドル「地デジチューナー」米で登場 「日本逆上陸」はあるのか

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   地上デジタル放送への「完全移行」が迫っているのに、設備の更新が遅れている。最大の問題は、視聴者側の「買い換え問題」だ。総務省は「5000円の簡易チューナーを開発せよ」と業界に号令をかけるが、業界側は「難しい」としている。そんな中、日本メーカーが49ドルの「地デジ用変換器」を米国で発売するというのだ。メーカーでは国内向けには「具体的な開発計画は、まだありません」としているが、国内での「廉価版チューナー」の開発が進む可能性もありそうだ。

危ぶまれるデジタル完全移行

アナログ波は予定通り停波できるのか
アナログ波は予定通り停波できるのか

   地デジは2003年に放送が始まり、現在はアナログとデジタルで同じ内容を放送しているが、政府の計画では2011年7月24日までにアナログを停波し、デジタルに「完全移行」することになっている。

   総務省では完全移行までに1億台の地デジ対応受信機の普及を目指しているが、07年3月現在の地デジ受信機の世帯普及率は27.8%。現状の「月100万台」というペースでは、11年7月時点で7~8000万台にしかならず、目標の達成は困難な情勢だ。

   そんな中、総務省の諮問機関である「情報通信審議会」が07年8月2日、地デジ受信に対対応した簡易チューナーを「2年以内に5000円以下」で開発・発売するように求める答申をまとめたのだ。08年1月にも、増田総務相が記者会見で

「5000円の簡易チューナーは絶対に開発する。これがないとアナログ停波ができない」

などと述べ、「5000円チューナー」に強い意欲を示している。

   そうは言っても、現在の地デジチューナーの相場は、安くても2万円程度。メーカーからは、「5000円は実現困難な価格」と、反発する声が相次いでいる。

日本市場参入については慎重

   一方、日本より一足早くデジタル化を進めている米国では、若干事情が異なるようなのだ。米国では06年のアナログ波の停波を目指していたが、地デジ対応機器の普及ペースが予想よりも遅かったこともあって、停波を09年に延期した。米国も日本と同様、安価な受信機器の普及が望まれているところだ。

   そんな中、船井電機が08年3月、米国でデジタル信号からアナログ信号に信号を変換する装置を発売する。価格は49ドル(5230円)で、09年度に600万台、200億円の売り上げを見込む。
   そうなると、「米国向けに50ドルで作れるのなら、日本国内向けにも5000円で作れるのではないか」という声も出てきそうだ。

   船井電機の広報・IR部に聞いてみると、

「国内向け廉価版チューナー製造に向けて具体的な動きがある、ということは聞いていません。今後、デジタル対応機器の需給関係や市場動向を見ながら、参入するかどうかを判断したいと思います」

と、慎重な答えが返ってきた。

   なお、米国では、1世帯につき40ドルのクーポン(変換器1台につき1枚使用できる)を2枚配布するという支援策を行っており、主に低所得者層に対して普及を推し進めていきたい考えだ。一方、日本では、政府が08年夏までに具体策をまとめて公表することになっている。

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